【2021年5月19日 8:36 PM更新】
あらかじめ写真記録を取りながら症例を検討してゆくと、
ほとんどのケーズが当方のイメージ通りに仕上がります。
このケースの患者んの協力があって難症例をこなすことが可能となりました。
重度の歯ぎしりは、対策しないと治療不可能になる
歯軋り 歯ぎしり はぎしり はブラキシズムと呼ばれます。
歯ぎしりの習癖の人は
その程度にもよりますが
時として信じられないような、歯の減り方を
している場合があります。
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歯ぎしりもひどくなると
原形をとどめないくらいに
歯が減ってしまうので
定期的な検診が必要です。
修復の目安は、エナメル質がなくなった段階で
エナメル質が咬耗して
なくなると、象牙質が裸出してきます。
象牙質は柔らかいので
減り方が加速してきます。
この写真の大臼歯はすでにエナメル質は
消失して、象牙質が裸出しています。
また、この歯にはメタルインレー(金属の詰め物)
があったと思われますが
金属修復物も摩耗して
半消失の状態です。
この患者さんは20台ですが
この件をきちんと理解しているので
ジルコニアで対策してあるのですが
この歯もジルコニアで対策することに
なりました。
ジルコニアの物質特性上
現在の歯科材料ではもっとも適した
歯ぎしり対策の選択となります。
前後はすでにジルコニアクラウンで対策済みですが
ここまで減ってくると
したの歯と接触していなくても
食べ物が介在するだけで
歯が減ってきます。
黄色い部分は露出した象牙質です。
手つかずの歯がありますが
穴が開いているのは、
エナメル質が消失して
象牙質が露出した典型例です。
象牙質部分は対する歯と接触していませんが
食物などが原因で
減ってしまうほどの柔らかさです。
下顎の歯もジルコニアに交換して
対策がしてあります。
ここで、ちょっとした試みをしました。
この症例の場合には、歯の体積(歯冠部)の50%は
削れて消失していると思われます。
当方では、すべての修復物に関して
かなりのサンプルがあるので
似たようなインレーの歯で実験しました。
上顎大臼歯で似たようなインレーが入った
模型です。
ごく普通の形態をした歯に
インレーが作ってあります。
金属を外すともちろん窩洞と呼ばれる
穴が開いています。
インレーとしては平均的な深さです。
除去に削合してゆきます。
歯の高さが、最初の50%以下になりました。
もっと削ると、似たようなパターンに
隣の歯の金属を戻しました。
歯の60%はなくなっています。
歯ぎしりパワーは
通常では考えられないほどのものです。
同じく20代の女性 重度歯ぎしり
やるべき時にやらないと、一生治療はできなくなります。
激しく咬耗して
原形をとどめていません。
この状態になると
極めて治療が複雑になり
時間もかかりますし、
処置する歯の数も多くなります。
激しく咬耗して、エナメル質が消失
ここまでになると
急激に歯が減ってきます。
反対側も同じく激しい咬耗
全体的にみると上下の歯が接触するところは
すべてエナメル質が消失して
黄色い象牙質がむき出しになっています。
象牙質は柔らかので
急激に減ってきます。
しかし、虫歯が一本もありません。
誰かが治療した部位があれば
歯は破損していたでしょう。
10か月かかって修復
咬耗した歯をもとに戻すには
時間がかかるだけではなく
違和感があるので
ああだ こうだ という方は
出来ません。
その他の歯ぎしり対応の事例
参考事例 1
下顎の前歯が大きく削れています。
この状態で上下の歯は接触していますので
削れてしまったはに被せものを作るには
上下の歯の間にスペースを作らなければなりません。
本来の形態に戻すには上下に
スペースを作るのですが
スペーづくりに時間と手間がかかります。
しかし、この方の場合は
どうしてもきれいに復元したいということで
復元処置をしました。
かなりの手間と時間がかかりましたが
ここまで復元しました。
しかし ああだ こうだ と
いう方はここまでできません。
参考事例 2
ここまで歯が削れてしまえば
修復はかなり困難です。
やれないことはないのですが
時間と手間がかかりすぎるので
これ以上減らない対策をするのが
良いと考えられます。
この方の場合には、原形回復は
お望みにならなかったのですが
極めてまれな例として
純チタンクラウンで修復をしました。
参考事例 3
この程度の減りならば
奥歯をのかみ合わせをきちんと作り
現状維持がよいと考えます。
参考事例 4
参考事例 4
参考事例 5
その他、歯ぎしり事例集
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