歯ぎしりで ガリガリになってしまった、前歯の修復


【2020年6月11日 12:12 AM更新】

基本的には神経がある歯を削ってかぶせるのは反対ですが

非常事態宣言後は簡単な処置から開始 イージーケース

多くのリスクをご説明しますが、どうしてもやってみたいという患者さん

仕事が忙しくて、できなかったので

しかし、長らくこの前歯が気になって気になって

どうしてもジルコニアをかぶせたいという

意思が強い方でした。

 

下顎の前歯は小さいゆえに、かぶせものが困難

上顎の前歯と異なり、リスクが高く、熟練が必要です。

 

現在コンテンツ製作中 

新型コロナウイルス感染防止対策により

思うように動けません。写真等の出来がイマイチかもそしれません。

 

下顎の状態

歯ぎしりで全体的に損傷があります。

奥歯は歯ぎしりによる負担過重のため

セラミックが破損しています。

 

前歯は上部のエナメル質が消失して

露出した象牙質が着色しています。

 

 

 

かみ合わせの状態

上の前歯で下の前歯が見えません。これを過蓋咬合と呼びます。

かみ合わせが深く、上の歯で下の歯が見えません。

 

私からのアドバイスは、下の歯のかぶせものを作るなら

 

●上顎の前歯 すなわち見えている部分をきれいにする

●かみ合わせが深くなり噛みこみすぎなのは

奥歯が咬耗して、上下関係 すなわちかみ合わせを

きちんとして、良好な上下関係を回復する

 

という二点でした。

 

一般の患者さんの視点はミクロ 当方マクロ

患者さんは鏡をべったり近づけてみるので、他人目線がわからない

歯をきれいにする場合には、顔面15㎝ほどの鏡を見るのではなく

洗面所に立ち 自分と鏡に距離を置いてみてください。

べったり鏡を使づけてみる自分より

他の人から見た自分を考えてください。

 

上顎前歯 これがきれいな方がいいとアドバイスしましたが・・・・

じぶn

 

下顎 若干タービンでスリットを付けています。

苦しい状態で撮影していますので、スリット前の画像が見当たりません。

 

 

かぶせものを製作する際には、上下関係 かみ合わせを確認しながらやります。

が、この症例では、かみ合わせが直接見えません。

ガイドをを付けて、均等に切削する準備をします。

 

 

均等に切削 支台歯形成(かぶせものを作るための切削)の初期段階

 

完成技工物と治療前模型との比較

前から見たところ

不揃いの前歯ですが、歯を動かして

位置関係は変えることができません。

先端の位置が凸凹なのは、上の歯とのかみ合わせが

凸凹になってます。上の歯の裏側も凸凹です。

技工作業による修正をして、歯を製作しました。

左側の奥歯に配列の変形がありますが、

前歯はかなり見れるように制作できました。

 

完成技工物と治療前模型との比較

上から見たところ

前後に配列の乱れがあります。

 

可能な限り修正します。天然の歯ですので

中に神経が生きているので、切削量が限られています。

 

デジタル技術により、紙のように薄いジルコニアクラウン

約0.5mm前後の厚さです。

これ以下は強度的に弱くなり、製作も困難です。

肉厚を厚くするには歯を大きく切削しなくてはなりません。

 

極めて薄く製作

厚いところでも0.7㎜です。

 

 

歯の切削前

 

 

 

歯の切削後 大きく削ったように見えますが、約0.6mmほどです。

 

きれいに制作できました。

 

 

 

ベストのアドバイス 治療計画

患者さんの意思が一番大切ですが。この症例の私から見た優先度

1.長年の歯ぎしりでダメになった奥歯のかみ合わせの復元

2.過蓋咬合ですので、上顎の前歯の修復物交換

とした方が、せっかく費用をかけるなら

顔貌や雰囲気がかなり変わります。

 

今回は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため

速やかに終わらせる必要があったので

やむない選択でした。

 

この症例の通院回数

初回、診査 検査 画像検査

2日目 支台歯形成 印象

3日目 制作物装

 

この症例の自由診療総額

●ジルコニアクラウン前歯 38,000円×6本

ジルコニアクラウンに関する一連の行程

(削る 方取る 修復物制作 装着 調整など)

を含んだ費用です。

その他、初診 検査 歯周病処置などは

健康保険を適応となりま

オーバーな表現ですが、緊急事態後は目をつぶってもできる

そうとりあえず簡単な症例から始めています。

前歯装着後 ご本によりご相談がありました。

上顎の犬歯の歯茎の上の方に炎症

初診時の画像には写らない位置ですが

犬歯の根の先あたりに瘻孔がります。

瘻孔とは、病巣がある場合に

膿を排泄するために生体が作った

膿の吹き出し口です。

 

初診時に撮影したレントゲンと

実際の前歯、歯肉の状態を確認すると

 

1.根尖病巣があり、それで炎症がある

 

2.除去しなければ詳しいことがわからない。

 

もしかしたがもう寿命の可能性も考えられる。

 

3.前歯全体から小臼歯にかけて

大型のブリッジとなり、大掛かりな処置になる

 

4.製作する歯の本数が増えると、それだけ経費が掛かる

 

5.この状態だと治療開始から3か月はかかる可能性がある

 

などのリスクをご説明いたしました。

 

何度も書きますが、虫歯は治らない

悪いのは誰かがいじったところ

 

一度根管治療をすると、生涯無菌には戻りません。

虫歯治療に関しても同じです。

削ってあるところから、傷んできます。

何度も繰り返すと最後には歯を失います。

 

この症例が短期間で終わったのは

誰もいじっていない部位だからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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