【2020年6月12日 8:38 PM更新】
歯はグラグラで、大きな出費をして修復するのは「どぶにお金を捨てる」のも同じ
非常事態宣言後は簡単な処置から開始 イージーケース
かなり悪い状況です。すでに歯として機能していません。
奥歯がない または前歯がきちんと
咬合していない場合には
上顎の前歯は、過重な裏側からの咬合力で
前方に押し出されるように動くことがよくあります。
もしも前歯に人口物えあるクラウンなどが
装着してある場合には、歯の破折
修復物の繰り返しの脱離を起こす可能性が
あります。
この症例では、来院直前の
もしかしたら不要であったかもしれない
抜髄処置で歯の動揺が加速されたのではないかと
考えています。
歯の周囲の額骨は完全に破壊されて歯が浮いています。
歯と歯肉の境目 歯茎からは膿が出ていて
とりあえず「くっついている」状態でした。
虫歯も何もない状態の歯ですが、
歯冠形成のために神経除去 根管治療を
したのだと思います。
根尖部から、根管充填のポイントが
とんでのない長さで突出していました。
真ん中の前歯2本が使い物にならないけど、このままではいられない
やむなく、歯を固定してハイブリットセラミックで歯を作り直しました。
もしもこれをジルコニアのブリッジにするならば
6本必要となり、かなりの出費になります。
また、グラグラで使い物にならない歯を
抜去した場合には、一時的でも真ん中の歯が
ない状態で過ごさなくてはなりません。
とてもい方だったので、
無償でハイブリットクラウンを作り
固定しました。
初診は20019年秋でした「¥。
https://dr-kita.com/dental2/2020risk4.html
デジタル プロビショナル レストレーション 抜去してブリッジ製作をご希望
時期が悪かった 新型コロナウイルス
当方では2020年2月9日に
クリスタル・ブライトニング横浜セミナーを開催
12月のセミナーに出席できなかった
歯科医院様からのリクエストが多かったので
東北地方の医院様たちからの日付指定で
セミナーを開催しました。
この時期では、感染も広がっておらず
あまり心配もしないで開催しましたが
開催の翌日 2月10日より北村歯科では
新型コロナウイルス パンデミック対策を開始しました。
2000年代のSARS 2010年には韓国まで来たMERS
の時から、感染対策の準備があったので
セミナーメンバーのご参考事例となるべく
多くの対策をしました。
一番大切な自由意志 ご本人のご希望を実現すべく動く
抜去の前に、デジタルでプロビショナルクラウンを製作。
ご本人は「いいですよ、なしでも」
といっていただきましたが、
やる気になれば、多くのことが可能となります。
この方は転院されてきた方ですが
モニター扱いでの対応に決めてあったので
経費もある程度使ってもよいと思っていました。
新型コロナウイルスで、ロックダウンも考えて
抜去後すぐにはが入れられるよう
ハイブリットクラウンの状態をスキャン
あらかじめデジタルでプロビショナルを製作。
歯の抜去と同時に装着して
患者さんが医院を出るときは
医院に来る時と見た目と同じになるように
しました。ロックダウン対策です。
モニター扱いですので、
デジタル・プロビショナル・・クラウンは
無償としました。
プロビショナルがデジタル化された恩恵は
1.完成時の設計を実際にお口の中に
装着して、検討できる。
2.抜去後、すぐに装着して、
歯のない期間がないように
または短縮できる
ですが、短所として
1.デジタルスキャンの必要
2ジルコニアと同じスキャンして
削りだす必要があるので、経費が掛かる
3.一か月程度しか、耐久性がない
といったことが考えられます。
抜去後の画像 触っただけで抜ける状態でした
歯周病末期の状態です。
この歯にセラミッククラウンは無駄な経費と
無駄な時間を使うだけです。
医院を出るときには、来院時と同じ プロビショナル・クラウン
歯の抜去と同時に
デジタル・プロビショナル・クラウンを装着
歯のない期間をなく、創面の治癒を待てます。
抜去後時間が経過して傷口は封鎖してきました。仮歯と歯肉に隙間が空いてきます。
抜去後の創面が修復するにつれ
顎骨の形になってゆくため
歯肉とブリッジのダミーに隙間が空いてきます。
ここで、緊急事態宣言発令 5月末まで休止期間があったが無事経過
これは想定内でしたので、まったく問題なし。プロビショナル 除去
5月末まで、治療延期でしたが
その間は無難に過ごしていただきました。
予定通り5月末にプロビショナルクラウンを
除去しました。
傷口も順調に回復しています。
プロビを除去して、歯冠修復の段階に入ります。
歯冠形成後、かたどりをして、またまたプロビを戻します。
長期にわたる歯周病で、歯が動いて
顎が変形しています。
歯が動き、前歯が開いた原因としては
元々顎骨の形態もあるでしょうが
前歯で強くかむ過剰な過重負担もがんがえられます。
上下の前歯の間隔が大きくなっていますが
水平、垂直を補正すると、とても良い外観になり
他人はこれに気が付きません。
技工物完成 ジルコニアブリッジ セラミックブリッジ
歯が長く感じますが、装着後は
上と下の歯が、解剖学的な平均値で
かみ合わせりますので、きれいな顔貌になります。
顎骨が下がった関係で、この点は妥協が必要です。
装着時 直後にスケーリング クリーニングをします。
顔面補正もしてありますが、これが水平垂直位置です。
口腔外バキューム3台で、お顔の周辺を
吸引しているので、髪が乱れてごめんなさい。
過剰とも思われる感染対策をしています。
長期間にわたる、歯周病 歯の欠損 顎の変形
などの問題がありましたが、
全く別人に生まれ変わりました。
前歯の思い出・・・・新型コロナウイルスを思いだす。
早く社会状況がよくなり、
ご本人も、笑って話せる時が来ることを
誰もが待っているでしょう。
総括として 新型コロナ禍中でもできる比較的簡単なケース
一番難易度が高いケースは
歯医者がいじくり回したケースです。
北村歯科としてはめったにない
歯を抜去した症例になりましたが
歯を削ったり 抜いたりは極力やらないことに
していますが、やむない時もあります。
この症例の自由診療総額
●デジタル・プロビショナル・クラウン10,000円 ×6本
●ジルコニアクラウン前歯 38,000円×6本
デジタルプロビショナル・・デジタルの仮歯は
前歯にcad/cam冠導入に伴いそれに合わせる形で
2023年より30,000となりました。
ハイブリットクラウン+固定装置から
ブリッジ製作までの過程
1日目 プロビショナルクラウン
2日目 歯の抜去 プロビショナルクラウン装着
★緊急事態宣言でしばらくお休み★
3日目 プロビショナルクラウン除去 歯冠形成 プロビショナル装着
4日目 セラミックブリッジ ジルコニアブリッジ装着
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