【2018年4月12日 9:57 PM更新】
強度の面と 脱離で不安のあるキャドカム冠は割れる
近年、健康保険の適応となった
キャドカム冠ですが、
強度不足と、外れやすいという欠点は
ありますが、かなり普及してきた様です。
当院では自由診療安価プロモーションの関係で
取り扱い申請をしていませんでした。
しかし歯科金属の価格が異常高騰した関係で
2019年末より申請して制作を開始いたしました。
今後のの課題としては、割れないために
非常に厚く制作する歯科医院や
脱離防止のために、歯に深い穴を空けてくる
医院が多くならないように祈るばかりです。
健康保険の関係で,「補綴物維持管理」
という項目があるので、
もしもの場合には、2年間再制作しても
健康保険での算定ができないために
何が何でも2年間は持つように考えるのは
当然のことだと思います。
もしも割れたり、外れたりした場合には
製作した歯科医院でご相談すれば良いと思います。
さもなければ、ジルコニアに変えるという
選択肢もありますが
安価とは言え、
自由診療ではある程度の負担が増えるので
これは、信頼出来る歯科医院で
ご相談すれば良いと思います。
cad/cam冠割れて来院されました。
おかしいことに、並んでいる修復物が
すべて違う種類です。
割れているのが、
健康保険適応のキャドカム冠です。
金属アレルギーで多数のCAD/CAM冠を入れたが、破損多数で来院
CAD/CAM冠は 強度が劣るために複数歯への適応が困難
CAD/CAM冠の場合は、強度が劣るばかりでなく
力に対するゆがみもあるために
脱離も多く起こります。
これは、入れた歯医者さん悪いわけではなく
物性的な問題です。
したがって、あの手この手で
いろいろな工夫をしなくてはなりません。
一番の解決法は費用の問題がなければ
ジルコニアに変え事ですが、
そこは個人の価値観で決めるとよいと思います。
しかし金属アレルギーの場合は選択肢がないのが
悩みの種となります。
金属アレルギー 保険のプラスチックで修復した例
CAD/CAM冠は、プラスチックに
セラミックの粉を混ぜて固めたものです。
一応セラミックといいますが
中身は混合プラスツック いわゆる
ハイブリットセラミック 混合セラミックです。
金属アレルギーで、すべて保険で治療したけど
かたっぱしから破折して、来院されたケースです。
https://dr-kita.com/dental2/metal-allegy2.html
純チタンのクラウンが適応になりました。
2020年6月より 健康保険で
純チタンのクラウンが適応になりました。
チタンは金属色をしていますが、
生体と親和性がよく
金属アレルギーの心配がありません。
金属アレルギーの方は
チタン製の腕時計をしている方が多いのは
そういった理由からです。
しかしながら、純チタンクラウンは
鋳造で制作されたものしか
健康保険で認められないので
技工作業での手間がかかり
扱いにくく、設備関係にも費用が掛かるので
扱っている歯科技工所が少ないのが現実です。
当方では、歯科医師対象のセミナーを
主宰しているために、いち早く導入をいたしました。
割れないCAD/CAM冠への努力(歯科医院向け)
設計の段階からの工夫
CAD/CAM冠が保険適応になった際に
支台歯形成の方法などがあれやこれやと
いろいろな指針が各方面から提案されました。
しかし、技工作業の段階で模型をトリミングするのは
常法なのですが、その部分に厚みを作るために
設計段階でダイレクトに
スキャンして設計することを
セミナーで細かな解説をする予定です。
オフセットの立ち上がり角度を広めに
マージンンの設定は歯肉上に設定
模型をスキャンして適合
歯肉上にマージンを設定してあるので
きれいに適合する
試適状態
健康保険選択の患者さんは
口腔内衛生状態が
あまりよくないために
歯周組織の状態があまりよくない場合がある.
当該歯の手前の歯は
歯肉が落ちた状態です。
完成CAD/CAM冠 裏側から
マージンからの立ち上がりが
よくわかります。
この状態だと歯肉と歯の間に隙間があるように見えるのですが
CAD/CAM冠の欠点である「破折 割れ」に関して
抵抗性を持たせることができます。
CAD/CAM冠を別の方向から見ると
この立ち上がりに設定すると
肉厚が厚めに設定されます。
しかし肉厚を厚くするために
支台歯を小さくすると、装着したCAD/CAM冠が
脱離しやすくなります。
CAD/CAM冠の健康保険の負担額は
型どりと装着を合わせて10,000円ほどかかります。
(前歯 大臼歯は12,000円ほど)
健康保険は70%は公費での負担です。
公費負担がなければ100%自払いになり
10,000×3.3=33,000円ほどになります。
当方のジルコニア奥歯の価格は32.000円ですので
公費の補助がない時と同じほどの負担と
考えればよいと思います。
自費診療のジルコニアとCAD/CAM冠では
原価などがまったく違いますので
当方ではジルコニアクラウンのほうが
安価な設定となっています。
以下 関連ページです。
2020年までキャドカム冠をやらなかった理由
割れた 外れた と問題の多いキャドカム冠とジルコニアの比較
金属アレルギー 保険のプラスチックで修復したけど
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