「突然歯がズキズキ痛くなった」
「冷たいものがしみる」
「噛むと響く」
「歯ぐきが腫れて痛い」…。
一口に「歯の痛み」といっても、原因は1つではなく、
いくつかの病気が重なっていることも少なくありません。
このページでは、
歯の痛みの主な原因(むし歯・神経の炎症・歯周病・歯のヒビ・かみ合わせなど)と、
北村歯科での考え方・受診の目安を「総まとめ」として整理しました。
※ここでお話しする内容は、あくまで一般的な目安です。
実際の診断・治療方針は、お口の中を拝見し、
レントゲンや必要に応じてCTなどで確認したうえで決定します。
北村歯科の「歯の痛み」に対する基本方針
歯が痛いとき、北村歯科では次のような考え方を大切にしています。
- 痛みだけを一時的に止めて終わりにしない
痛み止めや応急処置だけで済ませると、根本原因が進行して歯を失うリスクが高くなります。
「なぜ痛いのか」をできるだけ明らかにし、今後の見通しも含めてお話しします。 - 可能な限り歯・神経を残す方向で考える
歯や神経は、一度失うと元には戻りません。
MTA・覆髄・神経保存などの選択肢も含め、残せる可能性があるかどうかをまず検討します。 - 無理な延命でトラブルを繰り返さない
すでに大きく崩壊している歯や、感染が強い歯を無理に残そうとすると、
強い痛みや腫れ・再発を繰り返し、結果的に周りの歯や体への負担が大きくなることがあります。 - 治療方法と「将来の姿」をセットで説明する
むし歯治療・根管治療・抜歯+ブリッジ/義歯など、
それぞれのメリット・デメリット・費用・通院回数・10年後の姿をできるだけ具体的にお話しします。
よくある「痛みのパターン」と主な原因
実際の診断では問診を丁寧に行い、
痛みの種類・タイミングを伺います。
目安として、次のようなパターンがあります。
冷たいものがしみる・短時間でおさまる
- 初期〜中等度のむし歯(C1〜C2)
- 知覚過敏(歯ぐきが下がって象牙質が露出)
- 最近入れた詰め物・被せ物の調整不足
温かいもので痛い・何もしなくてもズキズキする
- 神経(歯髄)の炎症・感染(歯髄炎〜歯髄壊死)
- 根の先に膿が溜まりつつある根尖性歯周炎
- 激しい痛みの場合は急性の根管疾患のことが多いです
噛んだときだけ強く痛い・響く
- 深いむし歯や根管の炎症
- 歯のヒビ(クラック)・歯根破折
- 高すぎる詰め物・被せ物などかみ合わせの問題
- 進行した歯周病で歯が揺れている
歯ぐきが腫れて痛い・膿が出る
- 歯周ポケットに膿が溜まる歯周病の急性発作
- 根の先に膿が溜まる根尖性歯周炎・根尖膿瘍
- 親知らず周囲の智歯周囲炎
これらはあくまで一例であり、
同じような痛みでも原因がまったく違うこともあります。
「場所がよく分からない」「上の歯か下の歯かも分からない」
という場合も、珍しくありません。
主な原因① むし歯(う蝕)による痛み
むし歯は、歯の硬い部分(エナメル質・象牙質)が溶けていく病気です。
進行度によって痛み方も変わります。
- C0〜ごく浅いC1:自覚症状がほとんどないか、時々しみる程度
- C2:冷たいもの・甘いものでしみる、噛むときに違和感
- C3:温かいものや何もしなくてもズキズキ痛む(神経に達している)
- C4:痛みが一時的におさまるが、根の先で膿が溜まり始めることも
むし歯治療の考え方や、
どこまで削るか・どこまで経過観察するかについては、
むし歯治療の総まとめガイド(削らず・神経を残す治療を優先したい方へ)
をご覧ください。
詳しいQ&Aは、
むし歯治療 FAQ 50問 にまとめています。
主な原因② 神経(根管)の炎症・感染による痛み
むし歯が神経に近づいたり、
歯のヒビ・外傷などによって、
歯の中の神経(歯髄)に炎症・感染が起こると、
次のような症状が出ることがあります。
- 何もしなくてもズキズキ痛む(特に夜間)
- 温かいものがしみて、なかなかおさまらない
- 噛むときに強く響く
- 歯ぐきから膿が出たり、押すと痛い
このような場合、
根管治療(神経を取る治療)や、場合によっては
MTA・覆髄などによる神経保存治療が必要になることがあります。
全体の流れや考え方は、
歯の神経を残すか取るか・根管治療の総まとめ や
に詳しくまとめています。
Q&A形式で詳しく知りたい方は、
根管治療 FAQ 50問 や
歯を残す治療(MTA・覆髄・神経保存)FAQ 50問 をご覧ください。
主な原因③ 歯周病(歯ぐき・骨の炎症)による痛み
歯周病は歯を支えている骨や歯ぐきの病気で、
初期のうちはほとんど痛みがありません。
しかし、進行すると次のような症状が出ることがあります。
- 歯ぐきが腫れて痛い・押すと痛い
- 歯ぐきから膿が出る・口臭が強くなる
- 歯がグラグラする・噛むと違和感がある
- 急に痛くなったり、しばらくすると落ち着いたりを繰り返す
歯周病の進行度と治療の流れは、
歯周病の総まとめガイド
に詳しくまとめています。
歯周病と歯ぎしり・かみ合わせの関係についても、
歯ぎしり・食いしばり・かみしめの総まとめ で解説しています。
主な原因④ 歯のヒビ・かみ合わせ・その他の原因
歯のヒビ(クラック)・歯根破折
見た目にはほとんど分からなくても、歯に細かいヒビが入っていることがあります。
特に、神経を取った歯・大きな被せ物が入っている歯は割れやすくなります。
- 噛んだときだけ鋭く痛い
- 特定の方向だけで痛む
- 症状が出たりおさまったりを繰り返す
ヒビの位置や深さによっては、
残すことが難しく抜歯になるケースもあります。
早めの診断と、負担を減らすためのかみ合わせ調整・
ナイトガードなどが重要です。
かみ合わせ・歯ぎしり・食いしばり
むし歯や歯周病が軽くても、強い歯ぎしり・食いしばりによって痛みや違和感が出ることがあります。
- 朝起きたときに顎がだるい・歯が浮いた感じ
- 詰め物・被せ物がよく外れる・欠ける
- 顎関節がカクカク鳴る・口の開閉で痛い
かみ合わせ・顎関節については、
かみ合わせ・顎関節の総まとめガイド と
歯ぎしり・食いしばりの総まとめ もご覧ください。
その他の原因(副鼻腔炎・知覚過敏など)
・上の奥歯の痛みと副鼻腔炎(蓄膿症)が関連していること
・むし歯ではなく知覚過敏が主な原因になっていること
・お口の中ではなく神経・筋肉・全身疾患が関わる場合 など、
必ずしも「歯だけ」が原因とは限りません。
すぐ受診したほうが良い「危険なサイン」
次のような症状がある場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。
- 何もしなくても夜間にズキズキ痛み、眠れない
- 歯ぐきや頬が大きく腫れてきた
- 飲み込むのもつらいほど強い痛みがある
- 発熱や強い倦怠感を伴う
- 痛みがどんどん悪化している
痛み止めで一時的におさまっても、原因がそのまま残っていると
、数日〜数週間後により悪化することがあります。
「我慢できなくなってから」よりも、
「我慢しなくて良いタイミング」での受診が、結果的に歯を守ることにつながります。
北村歯科での「歯が痛い」場合の診察の流れ
- 問診
いつから・どこが・どのように痛いか、
「冷たいもの」「温かいもの」「噛んだとき」「何もしなくても」など、痛みの出方を詳しく伺います。 - お口の中の診察
むし歯・歯周病・歯のヒビ・詰め物・被せ物の状態を確認します。
必要に応じて、冷温刺激や軽い叩打などのテストを行います。 - レントゲン・必要に応じてCT
肉眼では見えない根の状態・骨の状態・隣の歯との関係を確認します。 - 考えられる原因と治療方針のご説明
むし歯・根管・歯周・ヒビ・かみ合わせなど、どの要因がどの程度関わっていそうかをお伝えし、
治療の選択肢とメリット・デメリットをご説明します。 - 応急処置+今後の計画
痛みが強い場合は、まず痛みと腫れを和らげるための処置を優先し、
そのうえで、今後どのように治していくか一緒に決めていきます。
むし歯・根管治療・歯周病治療とのつながり
歯の痛みは、多くの場合「むし歯」「神経」「歯周病」「かみ合わせ」などが複合しています。
どれか1つだけを見ていても、根本的な解決にならないことがあります。
北村歯科では、次のような総まとめページを用意し、治療の全体像を整理しています。
痛みが落ち着いたあとも、なぜその歯がそうなったのかを振り返り、
再発を防ぐための予防・メンテナンスまで含めて一緒に考えていきます。
もっと詳しく知りたい方へ|FAQ・24時間質問ページ
痛みの原因ごとのQ&Aは、
北村歯科 FAQ 総まとめページ から、
むし歯・根管治療・歯周病・歯ぎしりなど各FAQにお進みいただけます。
「自分の場合はどの原因が一番大きいのか?」「今すぐ受診したほうが良いのか?」など、
個別のご相談は、
24時間質問ページ・北村歯科AIチャット相談 からもお受けしています。





