スクリューピンは取るべきか? 歯の中に金属のネジが入っている方へ

レントゲンを撮ったときに
「歯の中にネジが入っています」「スクリューピンが入っています」と言われて、不安になっている方が増えています。

スクリューピンは、歯の中にねじ込まれた金属のネジで、
古い治療で使われていることが多く、痛みや腫れの原因・再治療の邪魔になることがある材料です。

【結論】スクリューピンについて、まず知っておいてほしいこと

  • スクリューピンが入っているからといって、今すぐ必ず抜歯しなければいけないわけではありません
  • しかし、痛み・腫れ・違和感がある場合、多くはスクリューピンを除去して根管治療(再治療)が必要になります
  • スクリューピン除去は非常に手間と時間がかかる治療であり、状態によっては抜歯せざるを得ないケースもあります。
  • このページでは、「取るべき場合」「経過観察でよい場合」「除去の流れとリスク」「よくある質問」をまとめて解説します。

【このページでわかること】

  1. スクリューピンとは何か(構造・過去に使われた理由)
  2. スクリューピンが問題になる典型的なパターン
  3. 取るべきケース / 経過観察でよいケースの目安
  4. スクリューピン除去の流れとリスク・限界
  5. 北村歯科に多い相談パターン(転院・ジルコニア希望など)
  6. よくある質問(費用・保険との関係・他院で抜歯と言われた場合など)

スクリューピンとは? なぜ問題になるのか

スクリューピンとは、

虫歯で歯の頭の部分が大きく失われたときに、土台を安定させるために
歯根の中にねじ込まれた金属のネジ
です。

 

  • タッピングねじのような形態で、歯の中に「目ねじ」としてねじ込まれている
  • 真鍮などの金属でできていることが多く、腐食して成分がにじみ出すこともある
  • 周囲をレジンで固めてあるため、除去には時間と高い技術が必要

 

一見すると便利そうな材料ですが、

歯根に大きな負担をかけるため、歯が割れたり、炎症の原因になったりしやすい

という問題があります。

 

詳しい症例やレントゲン画像つきの解説は、
スクリューピンに関するブログ記事一覧 もあわせてご覧ください。

 

スクリューピンが問題になる典型的なパターン

1. 痛み・腫れ・違和感が出ているケース

  • 噛むとズキっと痛む
  • 何もしなくてもズキズキする
  • 歯ぐきが腫れて膿が出ることがある

こうした症状がある場合、

スクリューピンの周囲が感染している・歯根にヒビが入っている可能性があります。

多くはスクリューピンを除去し、根管治療(再治療)を行わないと痛みは改善しません

 

2. ジルコニアなど白い被せ物にやり直したいケース

銀歯や古い被せ物をジルコニアに交換したい場合、
土台にスクリューピンが入っていると土台からやり直す必要が生じることがあります。

症状がなくても、レントゲンで見ると

  • ピンが浅くて保持力が足りない
  • ピン周囲の歯質がほとんど残っていない

など、

今後のトラブルが予想される場合には、

ジルコニア製作の前にスクリューピン除去+土台の作り直しを検討します。

 

3. 他院で「抜歯」と言われたケース

「スクリューピンが入っているから抜歯しかない」

と言われて転院される方も少なくありません。

状況によっては、

  • 慎重にスクリューピンを除去し、根管治療をやり直すことで残せる歯
  • どうしても歯根の割れ・骨の吸収が大きく、保存が難しい歯

に分かれます。

 

レントゲンだけでは判断が難しい場合も多く、
実際には「削りながら」「顕微鏡や拡大鏡で確認しながら」慎重に判断していきます。

 

スクリューピンを「取るべき場合」と「様子をみられる場合」

スクリューピンを取るべきと考えられることが多いケース

  • 痛み・腫れ・膿などの症状がある
  • レントゲンで根の先に黒い影(炎症)がはっきり見える
  • ピンの位置が悪く、歯根にヒビが疑われる
  • 今後大きなブリッジやジルコニア治療の土台として使う予定で、現在のままだと明らかに不安定

経過観察を検討できることがあるケース

  • 現在、症状がまったくない
  • レントゲンで炎症が見られない
  • 被せ物をやり直す予定がなく、土台として大きな負担をかけない

ただし、

一度痛みが出たスクリューピンは、再びトラブルを起こしやすい傾向があります。

「このまま持つのか」「どこまで残せるのか」は、

歯の状態・骨の量・噛み合わせによって大きく変わりますので、

個別にご相談ください。

 

スクリューピン除去の流れとリスク

  1. 診査・レントゲン撮影
    歯や骨の状態、スクリューピンの長さ・太さ・位置を確認します。
  2. 被せ物と古い土台の除去
    被せ物やレジンなどを慎重に削りながら、スクリューピンの頭を露出させていきます。
  3. スクリューピンの削り出し・除去
    拡大視野で、歯をできるだけ削らないようにスクリューピン周囲を削り、少しずつ外していきます。
  4. 根管治療(再治療)
    スクリューピンや古い充填材を取り除いたあと、根の中を清掃・消毒し、再度詰め直します。
  5. 新しい土台・被せ物の製作
    状況に応じて、ファイバーポストなどを使った新しい土台・ジルコニアなどの被せ物を製作します。

スクリューピン除去に伴うリスク

  • スクリューピンを外す過程で、歯根にヒビが入る・割れてしまう可能性がゼロではない
  • 歯の残っている量が少ない場合、除去後に歯を残せないと判断されることがある
  • 除去・再治療に回数・時間・費用がかかる

北村歯科では、「どこまで残せそうか」「無理をするとかえって寿命を縮めないか」も含めて、
事前にできるだけ詳しくお話ししたうえで治療方針を決めています。

 

北村歯科に多い「スクリューピン」の相談パターン

1. 他院で抜歯といわれたが、できれば歯を残したい

スクリューピンが入っている歯のトラブルは、

「抜歯してインプラントか入れ歯にしましょう」と言われることが少なくありません


状況によっては、

スクリューピンを除去して根管治療を行い、ブリッジやジルコニアで残せる場合もあります。

 

ただし、レントゲン・CT・実際の削り出しの段階で
「どうしても亀裂が大きい」「歯根が薄すぎる」といった場合には、

抜歯をおすすめせざるを得ないこともあります。

 

2. ジルコニアブリッジを作りたいが、土台がスクリューピン

自由診療のジルコニアブリッジを希望されて来院されたものの、
支えとなる歯にスクリューピンが入っているケースもよくあります。

そのまま無理にジルコニアを作ると、

土台ごと折れてすべてやり直しになりかねません。

当院では、支台となる歯の状態を第一に考えて、治療計画をご相談しています。

 

3. 転院してみたら、スクリューピンや針金だらけだった

過去の治療が原因で、

複数の歯にスクリューピン・針金・古い金属などが入っているケースもあります。
こういった場合は、

一本だけを見るのではなく、全体の噛み合わせや歯周病の状態

も含めて、順番に治療する必要があります。

 

スクリューピンに関するよくある質問

Q1. スクリューピンは必ず取らないといけませんか?

必ずしも「すべてのスクリューピンを今すぐ取らないといけない」というわけではありません。
痛み・腫れ・レントゲン上の炎症・今後の治療計画などを総合して判断します。
ただし、症状が出ている場合は、ほとんどのケースで除去と根管治療が必要と考えています。

 

Q2. スクリューピンを取ると歯が割れてしまうことはありますか?

スクリューピン除去は、歯をできるだけ薄く削らないように慎重に進める必要がある治療です。
歯根がもともと薄い場合や、金属で大きく削られている場合には、除去途中でヒビ・割れが見つかることもあります
その場合は、歯を残すことが難しく、抜歯をおすすめせざるを得ないこともあります。

 

Q3. スクリューピン除去や根管治療は保険でできますか?

スクリューピン除去や根管治療自体は、保険診療の範囲で行えることが多い治療です。
ただし、

その後にどのような被せ物を選ぶか(保険の銀歯・CAD/CAM冠・自費のジルコニアなど)によって、費用が変わります。

初診時にお口の状態を拝見し、保険・自費を含めた複数の選択肢をお伝えしています。

 

Q4. 他院で「抜歯してインプラント」と言われました。セカンドオピニオンだけでもいいですか?

はい、現状の説明と、残せる可能性があるかどうかの意見だけをお伝えすることも可能です。
レントゲンを撮影し、必要であればCTなども含めて、残した場合のリスク・抜歯した場合の選択肢をお話しします。
そのうえで、「どの治療法を選ぶか」は患者さんご自身に決めていただいています。

 

Q5. スクリューピンがある歯に、ジルコニアやブリッジを入れることはできますか?

条件によっては可能ですが、

土台が不安定なまま高額な自費治療をしても、長持ちしない危険

があります。

当院では、

・支えとなる歯の状態

・根管治療のやり直しの必要性

・歯周病や歯ぎしりの状況

を踏まえて、
「どこまで治すか」をご相談しています

 

実際の症例

この記事の執筆・監修:

北村秀紀(歯科医師)/横浜市鶴見区 北村歯科


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