【2024年2月21日 11:25 AM更新】
概要
重度歯周病でジルコニアセラミックのご希望です。
かなり進行した歯周病のですので
各所にぐらぐらの歯があります。
当方としては「自由診療はやめた方がイイ」
とのアドバイスでしたが
患者さんからのどうしてもという切望で
治療に入りました。
若干の費用負担があるジルコニアも
当方は安価なので
「消耗品」と割り切れるなら
寿命は短くとも、「見た目の美観」 などをよくできる
チャンスはたくさんあると思います。
このケーズは患者さんから
「どうしても」とお願いされたケースです。
この患者さんはおそらく
侵襲性歯周炎 というタイプの歯周病と考えられます。
下顎右側ブリッジ装着時
以下治療経過
ジルコニアも消耗品と考えられるなら いろいろなことが可能
重度歯周病で多くの歯の状態がよくない
相手のない歯は、最終的に下の歯肉に食い込むまで
伸びてきます。これがあると下顎のブリッジが制作できません。
かみ合わせる歯がないと、歯や顎が変形して
歯が入れられくなることが多くあります。
この状態だとしたのは歯入れるスペースがありません。
上の歯が突出して
下に歯が入るスペースが全くありません。
そのため切断をしました。
突出した歯をカットしてありますが、
グラグラの状態ですので、これを加工して
延命処置をします。
こうなってはジルコニアでかぶせものを製作しても
無駄になるとおもいます。
下顎ブリッジ製作開始 奥歯を入れてから前歯を試作の大原則
突出した歯をカットしてスペースを作りました。
一つの塊から削りだされていますが
暑い部分、薄い部分で色合いが異なって見えます。
透明度のある材質なので、厚い部分は濃く見えます。
奥歯のブリッジ完成
末期歯周病で飛び出して、グラグラの歯を抜去します。
かなりの位置まで出っ張っていますが
グラグラで歯としては使い物になりません。
抜去当日の変化
抜去前
抜去後 その部位の内側にある歯を神経処理をして形態修正
人と会うので・・・と抜去を遅らせましたが
どちらがよかったか?
ご本人んには理解してもらえませんでした。
人間の脳は、見た視野のなかで、
明らかな「異変」があるのを感知する能力があるようです。
なら積極的に異変をなくすことが、
他人の印象をよくするキーポイントだと思います。
末期歯周病で自己免疫反応で、「この歯は自我組織ではない」と認識され
生体から排除する反応が起き
大きく吐出していました。
黒い部分が、歯肉下の縁下歯石です。
この歯石が歯の先端まで沈着しているのは
先端周囲までの歯槽骨が破壊されているからです。
日頃から歯科医院で定期的に
面倒な縁下歯石除去をしていれば
この様なことは起こらなかったと思われます。
歯周病は全身への悪影響が大きいという概念は
一般にも広く普及していたようです。
抜去後 残存している犬歯の歯茎部分にも試適沈着が見られますが
歯石沈着がある部位の歯質は破壊され
齲蝕(虫歯)になっていました。
他の部分からは「膿」が出ています。
徹底的な歯周病処置をしています。
最小切削量で支台形成
動揺している歯もありますが
ブリッジの支台として使えるものは、使います。
ジルコニア完成
ジルコニアは紙と同じような厚さで制作してあります。
この様な薄いクラウンやブリッジが制作できるのも
ジルコニアの利点です。
奥歯を作ってから 前歯の制作の大原則
左側上下のブリッジを先に制作するのが大原則ですが
年末年始や歯周病の悪化で本来の制作順序と異なる
順序になりましたが 上顎左側のブリッジ制作をしました。
下顎の小臼歯が終わりました。
歯肉が赤く炎症を起こしている部分は
歯周病が進行して完全に脱臼してしまい
グラグラの状況で、歯としては機能しません。
ブリッジの支台にすると障害になるので、
抜去してからブリッジを制作しなくてはならないので
大原則通りにはならいのでやむなく前歯の制作になりました。
抜去した後に創面が落ちつくまで時間がかかりますが
年内はこのままにしておき、
上顎の前歯の制作に入ることとにしました。
歯周病悪化など年末の強行軍の中で時間がなかった。やむなく前歯の制作
ヒトの歯並びは正中があっていないことが多い
完成後に顔面に合わせて形態修正をして
美観をよくする工夫をします。
模型上で一次修正
全体的に大きな歪みがあるのはやむなし。
この様な変形がある場合には、一番前の歯である
左右の中切歯が顔面の中心に対して左右対なるように
設計するのが大切なポイントとなります。
お口の中で二次修正 顔面にはほとんど歪みが出ていない。大成功
奥歯を作ってから 前歯の制作の大原則
上顎左側ブリッジの制作
年末年始や歯周病の悪化で本来の制作順序と異なる
順序になりましたが 上顎左側のブリッジ制作をしました。
下顎の小臼歯が終わりました。
歯肉が赤く炎症を起こしている部分は
歯周病が進行して完全に脱臼してしまい
グラグラの状況で、歯としては機能しません。
ブリッジの支台にすると障害になるので、
抜去してからブリッジを制作しなくてはならないので
大原則通りにはならいのでやむなく前歯の制作になりました。
左右の奥歯がなく、この場合には前歯より
奥歯を優先させるのが原則です。
技工物完成
上顎左側のブリッジが入りました。
上顎の歯が揃うことで左右のバランスが良くなりました。
次は下顎左側のブリッジ制作です。
終わってしまった歯の抜去れがあるとブリッジの製作ができません
完全に脱臼後時間の経過とともに
膿を吹き出しながら、歯が出っ張ってきました。
黒いのが縁下歯石 これが猛毒で顎の骨を破壊します。
お会いしたときはどうにもならない状態でした。
抜去後 二週間
この角度だと分かりにくいですが
歯槽骨はかなり陥没しています。
技工物完成
上下左右 前上上下 歯が入りました。
完全に使えなくなって障害のある歯が多かったのですが
それを処理したり、切断して根管治療を行ったり・・
あの手この手でやっと形になってきました。
長い時間放置されていたので
顎の変形も大きかったのですが
可能な限り修復しました。
左が歯は全く使い物にならないほどの
歯周病であり、ブリッジが作れない状態なので
突出してしまった歯の削合どまりで
現状維持です。
この症例の自由診療総額 税別
●自由診療除去費用 5,000円×本数
●ファイバーコア 10,000円×本数
●ジルコニアクラウン前歯38,000円x本数
●ジルコニアクラウン奥歯32,000円×本数
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