リアルタイム追記 他院で3**万円で泣きこまれる1 仮歯は危険 2023-5人目


【2023年4月18日 1:09 PM更新】

概要

仮歯は危険シリーズです。

緊急で深夜に診療している歯科医院に

家族に連れて行ってもらったら

4時間かかって、大量の歯を削られたそうです。

口の中にある歯を全部削られたそうで

修復にかかる費用たとんでもなく高額で

払えきれないので駆け込み寺へいらしたそうです。

これを復元するには大変な手間と時間がかかります。

もちろん、「ああだ、こうだ」と言わない

いい人だから治療可能です。

 

初診時にはこの状態で来院

 

最終調整時 上も下もすべての歯を作りました。

 

削られてしまったら、患者さんは逃げられない

削られてから歯科医院を探す逆のことをする理由

いつものことですが、削ったら作るしかありません。

こういった事情で多くの方が来院されますが

過剰な本数を削られていますので

本来の歯の位置や状態が分からないために

かみ合わせや状態が不明なために

復元に手間と時間がかかります。

治療費用が原因で、

削ったあとに歯医者探しになるのだと思います。

この様な事例は「仮歯は危険」というコーナーに

多くの症例をアップしてあります。

 

転院の患者さんは履歴の聞き取りから

なるべく過去の経緯を探ることが大切

それに基づきいろいろなことを推測します。

★削る必要があったのか

★いい歯を削ったのか

★何を目的に削ったのか

★根管治療は?

★歯周病は?

 

この患者さんの場合には・・・・

歯が痛くなったので救急でやっている歯科医院に家族に連れられて

点滴麻酔下で、多数歯を抜去したとのこと。

その後象牙質が露出しているので

「被覆しないとダメだ」

と修復物をすべて除去。

すべての歯をかぶせものを作るために切削されたとのこと。

 

ここで不可解なのは、左右両側にそこで制作した

義歯をお持ちになったことです。

片側は、欠損部位と入れ歯の本数が同じですが

反対側は、入らない入れ歯をお持ちになったことです。

入れ歯をお持ちだけでも不可解です。

前から五番目の歯まで

無条件で健康保険のCAD/CAM冠が

適応となるので、CAD/CAM冠を10本制作して

残りは入れ歯二個なら健康保険が適応になりますが

それだけでもかなりの収益になります。

しかし健康保険のcad/cam冠は所詮短寿命なので

これを健康保険外 自由診療の

セラミック冠にする予定だったと推測しています。

健康保険診療の規定により、

一人当たりの健康保険診療報酬が高くなると

高点数指導と呼ばれ指導で呼び出されますが

もっと厳しい個別指導までのサイクルを考えると

三年間荒稼ぎをして、その後閉院するパーターンも

多く存在します。

まじめに開業している歯科医院では高点数指導を避けるために

この様に大量のCAD/CAM冠は一時期に制作しません。

 

当方ではジルコニアクラウンを32000円の価格設定で

制作していますが、健康保険のCAD/CAM冠だと

本人負担は約9000円 医院は約30000円の収入になるので

自由診療よりCAD/CAM冠の方が高収益だと思います。

(自由診療 健康保険診療 税金が違うので)

 

提示された自由診療価格は一本12万円

健康保険を合わせると医院の収入は

下顎だけで200万円を超えると思います。

いい方は悪いのですが、「上手に料理された」

という感じです。

 

画像の白い歯は撤去した仮歯です。

両側の入れ歯と合わせて、両側の5番目までが

仮歯となっていて、それより後ろ側は入れ歯となっています。

この状態では片側の入れ歯は入りませんので

入れ歯制作後にも仮歯が制作されたと思われます。

 

緊急で行った歯科医院ですべて仮歯に

歯ぎしりがひどいのですべて被せものにしないとダメになる と言われて

すべての歯を仮歯にしたので

崩壊が始まっています。

この患者さんは放置になっていないので

現状に基づいて、おくちの中を再現できると

判断しました。

お多数の歯を仮歯にすると、仮歯は上下関係が

一か所で決まらず非常に不安定です、

そのため噛む都度に位置が変わるために

本人のかみ合わせ位置をご本人もわからなくなり

障害かみ合わせ位置を失うために

精神的な部分に悪影響のあるこが

多々あります。

網合わせは不安定です。

 

下顎もすべて仮歯の状態です。

左右の奥歯の頂点がこちらを向いています。

歯を失ってそのまま放置すると

欠損した部分に向かって歯が倒れるように

変形するので、長期放置は禁物です。

 

 

すべての歯をジルコニアにしてほしい と望んだわけではないのに

片っ端から仮歯にする手法 危ない・・・

仮歯に入れ歯が作ってありました。

過剰に収益を上げようとしたのか?

と思いました。

 

調整して左右バランスを取りました。

仮歯を除去してわかること

下の前歯は、ほぼ損傷のない

綺麗な歯でした。

過剰に削ったのか?と思いました。

 

 

削られてしまったら、治療するしか選択肢はありません。

歯を削たら、患者さんは逃げられません。

 

最初は下顎の右側

上下関係を維持するために左右の歯を制作、最初に右側

水平基準点を設けて歯列を決定

 

デジタル設計なので、すべての方向から配列、かみ合わせを設定できます。

 

 

最終設計をもとに、ジルコニアブリッジ制作

 

装着開始

顎は斜めに開口しますが、のちに補正します。

口を開けた段階で、

上下の歯並びは平行ではなくズレがあります。

 

装着

この状態ではかみ合わせは

極めて不安てす。

 

ジルコニアだけがしっかりとした修復物だから

上下の位置がもっと不安定になります。

かなり長いブリッジになるので調整が大変です。

 

第二段階は下顎右側製作開始

 

急がねば、かみ合わせが崩壊するので、反対側着手

除去をしてみるが、仮歯の中から、きれいな歯が出てきました。

まったく削る必要のない歯だったのか?

とおもいます。

治療中に上の仮歯が取れましたが

これもきれいな歯でした。

この様に仮歯がいいお場合には

一気に崩壊してくる可能性があるので

急がないと再現できなくなります。

 

第二段階 下顎左側ブリッジの制作

 

右側が大きく陥没する配列です。

歯を失って時間が経つと歯列が変形して

欠損部分に向かって歯が倒れるように変形しますので

長期放置は禁物です。

左右がそろいました。

主観的には下顎の前歯がやや高く設定。

仮歯が多いと上下の距離が縮小するので

上下の間隔を確保するためです。

前歯の長さは前歯を制作時に決めます。

 

ここまで咬めるまで一時間の調整時間が

jかかりました。

 

仮歯は危険 どんどん壊れて行く

仮歯はかみ合わせの崩壊が著しく早い

Ⅰ週間後 またバランスが崩れる

上が仮歯 下がジルコニア 

したがって、仮歯がどんどん崩壊するので

絶体に安定状態にはなりません。

筋力バランスは左下がりです。

 

仮歯がすり切れていました。

上下のクリアランスを確保して、ジルコニアを製作

 

右上ジルコニアブリッジ装着

ブリッジ完成

 

 

 

 

仮止め状態

反対側の仮歯はすり減り咬合していません

 

 

仮歯は危険というより、かたっぱし仮歯にするのが危険

反対側制作のために仮歯除去すると ひどい虫歯が出てきました。

この状態でジルコニアを制作するのも危険

いずれ爆発的な痛みが出るリスク大

歯茎周囲からひどい虫歯

 

仮歯のかみ合わせは、

急激に崩れてゆくので手前2本をジルコニア制作開始。

ひどい虫歯の歯は、最後に根管治療をして

クラウン制作をすることに決定。

奥の歯面にレジンを添加して

かみ合わせを挙上します。

ハイブリットセラミックも

CAD/CAM冠も同じような材料なので

短寿命であると思います。

セラミック系、ガラス系のファイラーが

多く含有されているので、ちょっと見ただけでは

きれいな歯に見えるかもしれません。

 

 

装着 両側の奥歯にジルコニアが入り、上下を支える柱ができた

仮歯は危険です。

仮歯の穴が大きくなってきました。

仮歯は簡単に摩耗するため、かみ合わせはかなり早く崩れます。

あっという間にかみ合わせが崩壊するので

急いで柱を立てる理由がここにあります。

 

いよいよ前歯の治療医開始

支台歯の配列と咬合平面

顔面を基準に撮影していますが

右左に位置がかなりのずれがあります。

歯並びを平面にたとえて

専門用語では咬合平面と呼びます。

 

写真で見ると顔面に対して

咬合平面が左下がりなのが理解できると思います。

ヒトは機械ではないので、左右対称–シンメトリ

のバランスが取れているわけではありません。

しかし、かたっぱしから削って仮歯にすると

ますますこのバランスは崩れてゆきます。

傾いた板の上のボールと同じです。

 

先に下顎の配列を決めてあり

それに合わせて上下左右の奥歯が咬んでいるので

上下の位置関係はきちんと決まってるので

顔面と下顎の歯の配列に合わせて前歯を設計します。

 

前歯ジルコニアクラウン 設計開始

第一案

ずんぐりむっくりな感じなので

もう少し歯冠長を伸ばし

隅角を調整

 

咬合平面は大きく左下がりなので

それを修正するように歯列を設計してあります。

 

最終案

水平に配列できました。

実際の傾きは透過像としてのCADを設定して

確認をします。

透過画像

歯を透明化すると、咬合平面が斜めなのが

よくわかります。

 

技工物完成

 

口腔内に装着

この時点では顔面の左右対称バランスが左下がりです。

配列もきれいに収まりました。

マクロでみると顔面との

調和が分かりにくいかもしれません。

 

自分の筋力で顔面は補正されてゆく

 

やや離れた位置から確認すると

顔面は確実に補正できています。

 

Ⅰ週間後、ついにナッツも食べられたと来院

 

 

ご本人談によると、静脈麻酔で処置をして

6時間の間に歯を削れられたとのこと。

歯が減って象牙質が出ているからかぶせないとダメ!

と言われたそうです。

いずれにせよ、一気に歯を削り

高額な見積もりに驚いて、来院される患者さんは

多数来院します。

 

あらかじめ、処置内容や費用の

相談をすればそのようなトラブルはないと思われますが

削ってしまうと、患者さんは処置するしかなくなり

治療から逃げられません。

 

また、200万 300万円と高額出費をしたけれど

その後の調子が悪く、それを修正するために来院される方も

しばしば来院されます。

 

この症例の自由診療総額

●ジルコニアクラウン前歯38,000円x本数

●ジルコニアクラウン奥歯32,000円×本数

 

 

 




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