【2024年7月2日 7:43 PM更新】
概要
歯を失って放置すると、顎の骨が変形して
治療困難になる場合がしばしばあります。
この症例ではそれに重度歯ぎしりが加わり
かなり困難な治療になります。
あの手この手で誰もできないことをやるのが
我がライフパターンです。
歯を失って放置すると、顎変形を起こします
重度の顎変形 はを抜いて放置した結果
歯のない顎は変形
相手側の顎の骨も変形して
相手の歯肉に食い込む
右側がつぶれたよいうに変形しています。
上下の顎の骨が変形して
もちろん顔面の変形も想定されます。
重度の歯ぎしりで右側がさらに変形
歯ぎしりで糸切り歯が1/5に咬耗していて修復が困難
赤いマークは左右の同じ歯ですが
片側だけ極端に咬耗しています。
初診時画像
これからのロングストーリーに備えて 前歯を見れるように・・・
簡単に修復
コンポジットレジンで虫歯を修復
第一ステッップ 歯を入れるスペースを作る
潜っている虫歯(残根といいう)を
できました。
さらに虫歯処置をすると同時に、歯の先端をカット
仮のブリッジを制作して咬合挙上
これでうまくゆけば、かみ合わせや顔面を復元できる可能性が高くなる
顎の位置が変わってきました。
一週間後
明らかに歯が移動開始しました。
人間とはこれだけフレキシブルなので
変形する速度も速い。
ここまで復元できました
まだジルコニアの制作にははいていません。
誰もできないこと
誰もやらないこと
をやることが価値があると思います。
下顎ブリッジ技工物完成
まだまだ多くの難題があります。
矢印の部分の上下の位置関係が逆です。
いわゆる反対咬合 交差咬合 なんです。
技工物完成
ここからが本番 咬合挙上 これがうまくゆけば歯並びを復元可能
失われた上下の顎の距離を復元する かみ合わせ治療
歯を入れる前
入れると ぐっと持ち上がりますが
生理的な位置まで、次第に沈んできます。
3日後には・・・
想定通りの場所に沈んで
上下がかみ合いました。
ここから加速して歯並び かみ合わせを
復元してゆきます。
交差咬合になっている部分を修正
位置を変えました。
この後下顎の前歯を制作予定です。
現在進行中 続く・・・・・
10月に入り下顎右側のブリッジ制作に入ることができました
上下の交差咬合補正のためにコア作成
この部分が上下前後逆さなので
ファイバーコアを作成
フイバーコア装着後、ブリッジ制作に入ります。
治療が進行してゆくと、そこに障害が出てきます。
金属クラウンを除去すると
中にスクリューピンがあり
崩壊状態でした
スクリューピンを除去後
この後根管処置をしてファイバーポストを制作しました。、
下の歯が入りました。
色いろな障害がありましたが・・・
ここまで4か月
交差咬合の問題解消 この症例の場合には
すべての復元をしてゆく際に、障害となる部分が多くあります。
交差咬合は上下の前後関係が一部分だけ反対になっている
かみ合わせです。
横並びに歯をキレイにそろえる際 大きな障害となります。
ここまで4か月
これから上の歯の治療に入ります。
続く・・・・
炎症放置の場合は治癒がきわめて遅い
この患者さんは1本おきに障害がある
朽ち果てた歯を抜去後、放置されていたので
治癒がきわめてゆっくり。
抜去前 10日後 一か月後
ここまで4か月
障害になる部分が多いために
時間と手間がかかりますが、
一所懸命遠方より通っていただいています。
続く・・・・
右上抜去2本目
右上小臼歯ジルコニア製作
右側の小臼歯が二個入りました。
顎位置 咬み合わせなどがかなり復元され
顔面と歯並びが平行になってきました。
歯ぎしりで激しく減った犬歯 側切歯を
作る準備もできてきました。
かなりの改善が出来ています。
続く
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