【2023年10月12日 5:05 PM更新】
概要
重度の歯ぎしりがあり
2019年から歯ぎしり対策で
咬耗が激しい歯からジルコニアに交換したり
歯が減りすぎて神経が露出した歯は
根幹治療をしながらかみ合わせを維持してきました。
令和3年ユーチューバーの歯科医院に受診。
奥歯はジルコニアで歯ぎしり対策をしてあったので
重度歯ぎしりに気が付かず、ブリッジを除去
また上顎の奥歯を抜去して
入れ歯となりました。
令和5年に、再受診。
除去したブリッジの制作から
再スタートとなりました。
入れ歯を入れると顎が変形する 入れ歯よさようなら。
歯ぎしり対策済みなので、初めて見た歯科医は歯ぎしりに気が付きにくい
入れ歯の留め金のかかっている歯と
その前の歯は歯ぎしりで
黄色い象牙質が露出している
入れ歯を外すと、象牙質の露出と
虫歯の様子がよくわかります。
銀歯の手前の歯肉に大きな穴が開いています。
入れ歯の圧力で顎の骨が徐々に破壊されていきます。
この角度から見ると
大きくクレーター上にあごの骨が破壊された
様子がよくわかります。
一般的には入れ歯をブリッジにするとものすごく喜ばれます
模型上で観察すると状況がよくわかります。
入れ歯を入れていたり
歯を抜いたまま放置すると
歯並びというより、顎骨が大きく変形していることが
良くあります。
この状態では、ブリッジ制作できるのも
ラストチャンスだと考えられます。
ブリッジ装着後に、MTAセメントで歯髄保護した歯が折れた 虫歯はすべて除去できない
神経を除去するか、そのまま保存するかの二択 自由診療で3.5万円とのこと
赤茶色が虫歯の部分です
この部分を削除すると神経に陥没します。
この部分をキャップして歯髄を残してありましたが
崩壊するのは時間の問題であったと思います。
しかし根管治療には持ち込まないで、歯髄を保存するのは
治療の一手だと考えます。
この場合は前歯でかなり無理があり折れてしまったのですが
奥歯の場合には、クラウンで被覆すれば長期に保存できる可能性があります。
この虫歯の部分を除去して充填するというのは
理論的に不可能なことです。
これが「虫歯は治らない」ということなのです。
虫歯は治らない 決して元には戻らない
歯医者で虫歯を直しても、決して元には戻りません。
折れた歯を考察するとです。
折れた歯を表側から
表側のエナメル質は残っているものの
裏から見ると変わりますが
この歯にはほとんど強度が残っていません。
白い部分がMTAセメントです。
このままでは歯は作れませんので やむなく抜髄して根管処置に入ります 同時に歯肉の整形
歯肉の下まで虫歯なので、歯肉を高周波で切除
形を整えました。
黒い部分は高周波によって炭化した歯肉です。
Nd:YAGレーザー 半導体レーザーでも
この処置は可能です。
ファイバーコア
技工物制作
口腔内に装着 折れた歯を入れるのはここまで手間暇がかかる。
両側の奥も今回の前歯と同じ色の
ジルコニアで制作されていますが
歯の厚さによって半透明のジルコニアは
色合いが変わって見えます。
この症例の自由診療総額 税別
奥歯のブリッジ
●ジルコニアクラウン奥歯32,000円×4本
前歯
ファイバーコア(土台)10,000円x1
●ジルコニアクラウン前歯 38,000円x1
歯ぎしりの人の大きな課題
歯ぎしりが過ぎると歯の中の神経が出てくる
鏡に映しているのでわかりにくいかもしれませんが
真ん中の二本はオリジナルの歯です。
表から見ると問題はなさそうですが
裏側から見ると、中の神経が見えています。
この色だと、神経が死んでいる可能性があり
症状が出てくるリスクは高いと思われます。
歯ぎしりの場合には多くは
二次象牙質と呼ばれる、
歯の中の神経が石になったように固くなっている場合がほとんどですが
急激に歯が減ると二次象牙質になる前に
神経が死んでしまうことも多々あります。
重度歯ぎしりの場合には、早期に対策が必要ですが
この症例のように急激に摩耗する場合には
ジルコニアの本数も多くなり、
経済的な問題も考えなくてはならないと思います。
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