数多く来院する「他院で歯去と言われた」


【2023年2月9日 7:34 PM更新】

概要

歯根膿疱による瘻孔が歯茎と根尖の中間点にあります。

レントゲンを撮影して金属製のコアがあるので

一般的な歯科医院ではコア除去(土台除去)があると

除去の段階からからリスクが大きいので

治療せずに抜去が第1選択になると思います。

しかし治療後も炎症が再発するリスクは大きいので

リスクを理解していただかないと

治療が出来ません。

 

健康保険のCAD/CAM冠も

歯科業界でも多くのトラブルがあるようです。

お勧めの材料ではありません。

初診時おけるお決まりの対応

受付スタッフよりもメモ来ます

当院は相談歯科医院としてスタートしているので

開業以来、同じスタンスでやっています。

初診時は、初診専用のブースで状態を確認

口腔内写真を見ながら

その時点での状況をご説明してから

お話を進めてゆきます。

その他受付でお話されたこともスタッフが

メモを書いてくれますが、

こういった情報の収集が、患者さんの症状の

これまでの経緯を知るうえで大切な要素となります。

 

抜去せずに根管治療で修復物を作る

金属除去作業が歯科でもっとも困難な処置です。

 

感染根管が原因の瘻孔(中から膿が出てきている)が

歯茎下にあります。

通常は根尖にできるパターンがほとんどですが

パーフォレーション(穿孔)や根管の亀裂

不適合な修復物などが原因と思われます。

いずれにせよ除去して根管治療をしないと

瘻孔は消失しません。

レーザー治療などの補助両方も

ほとんど無効であると思います。

 

メタルボンドクラウン除去後

除去時には、当方は呼吸もできません

呼吸すると手がぶれます。

正確に金属をカットして除去します。

 

もっと高度なコア除去

見ての通りかなり荒れています。

黒い部分は感染した細菌に腐食して

金属が腐食しています。

これを除去しないと炎症が治まり

瘻孔は消失しません。

この作業中は微動たりともできません。

極めて神経を使う処置ですので

無理をすると歯が割れます。

もしも割れてしまったら保存不可となります。

 

除去直後の歯の内部

 

時間を掛けて慎重に異物などを除去

ここから根管治療開始

歯根は破損していませんが

簡単に破損する状況でもあります。

 

 

根管治療に時間と回数をかけて瘻孔が消失してもある程度の期間は治療

 

ある程度時間に余裕をもって根管治療

最近の米国式根管治療などでは

即日で終了するパターンが多いのですが

感染がひどい日本の根管治療は

複数回の根管治療を行い、修復再生の兆候が見えてから

次の作業に移るのが良いと思います。

仮歯もなくオープンにしておいたので

歯肉ほぼピンク色になっています。

よく見ると当該歯の周囲はまだ赤色が濃いのが分かります。

 

 

健康保険のCAD/CAM冠はお勧めの修復物ではありません

あまり良くない歯に自由診療をお勧めできない場合の選択肢です。

当初から自由診療をご希望でしたが

歯の状態があまり良くなかったので

金銭を掛けずに修復する場合には

CAD/CAM冠を選択することをお勧めしています。

CAD/CAM冠は、寿命が短く

脱離や破折のリスクの多い修復物で

世界的な視点で観ると仮歯の材料という位置づけと

言われています。

 

形態修正後の前歯

これで装着が多いのですが

今回はモニター扱いで

お口の中で、隣の歯の状態に近づける

特別仕上げをしました。

 

完成直後のCAD/CAM冠

ソリッドな感じです。

 

特別に、他の歯を診ながら形態を出して行きました。

普通はここまでやりませんが、今回は特別に

現場仕上げをしました。

スキルがあれば、何でも自由自在です。

 

歯並びに溶けこむような仕上げに。

化学製品を使わないですべて手作業。

艶出しもダイヤモンドパウダーとパフで行いました。

作業時間が30分以上かかりますが

今回は特別です。

 

 

作業の中間点 徐々に仕上がっています。

隣の歯の先端が欠けていますが

レジン充填などをすると

この部分はすぐに欠ける可能性があるので

何も手を付けないのが良いと思います。

 

仕上げ完成

自由診療レベルで仕上げてみました。

あまりにも手がかかるので

通常では行わない仕上げです。

材料的に硬度がなく劣化しやすいので

ここまでやる意味はないと思います。

 

 

今回は特集ケースとして

自由診療並の時間と手間を掛けました。

かなり多くの機材を準備したので

身動きさえも取れない状況です。

通常時にはここまで対応できないかもしれません。

 

健康保険のCAD/CAM冠は

破折や脱離で来院される方も多い材料です。

健康保険の材料としてやむなく設定されているのだと思います。

あまりお勧めの材料ではありません。

 

1週間後

再調整

 

製作した隣の歯に

変色劣化したCR充填がありますが

せっかくここまでやったのですので

この劣化も修復しました。

可能な限りのことはやったつもりですが

ご本人的には対応などのご不満があったようです。

精密治療中には歯科医と患者さんは会話歯はできません。

 

お口の中の病の原因はそのほとんどが細菌が原因です。

言い換えると、だ液が原因なので

だ液から感染しないためにも

治療中の会話以開いたままで開いたままでおねがいいたします。

この件も含めて、初診時に当院からのお願い文章をお渡して

ご一読いただくようにお願いしております。

文章の内容は クリック

この症例の自由診療総額

●自由診療は行っていませんのでご負担はほとんどありませんでした。

 

 

 




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