前方突出のメタルボンドをジルコニアに交換

ただ単に交換するだけではなく顔貌をよくするには時間と手間をかける

あらかじめ写真記録を取りながら

症例を検討してゆくと、

ほとんどのケーズが当方のイメージ通りに

仕上がります。

このケースの患者んの協力があって

難症例をこなすことが可能となりました。

ある程度のレベルの歯科医院で治療するならば

治療費は一般歯科医院の一か月の収入に

相当する金額だと思われます。

 

このケースの概要　

1.上下額の前歯が連結クラウンが入っています。

おそらく下顎の前歯が二本欠損しているため

メタルボンドのブリッジが撞着されています。

このメタルボンドのブリッジの厚さが

かなりの厚みがあり、

上顎の前歯を制作する際に、

下顎の前歯を参考にして制作してあるので

かなりの前凸（前突）状態になっています。

 

2.上顎の根管治療が不良のために

根尖に炎症があり

歯が動揺しています。

根管治療をしてもよくなるか、ならないかは

やってみないと分からない状態です。

 

全貌　前から見た画像

 

 

側貌　横から見た画像

かなり前突した状態です。

反対側から

 

下顎の状態

前歯が前突しているのは

メタルボ下顎に極めて厚い

メタルボンドのブリッジが装着されて

それに合わせるように

上顎の前歯が製作されています。

 

下顎前歯の修復は、歯が小さい事が原因で、

きれいに修復されていない場合が

多く見られます。

下顎前歯の修復はいろいろな意味で困難

ですので、むやみに削らないことが肝です。

 

 

 

 

前歯三本除去した状態

例によって虫歯でボロボロです。

ここから根管治療が始ります。

最初に炎症を起こしている歯肉から

治療を開始します。

歯の中から、外から治療を開始します。

根尖まで穿通うさせます。

根尖に病巣があり

根の先端部分が破壊されているので

太めのリーマーが穿通します。

この画像で

本来あったオリジナルの歯の向き（歯軸）

を記録します。

 

ハイブリットセラミックで仮歯を作り、完成時の予想をする

開始前の前歯の状態

かなり前方に突出しています。

 

ハイブリットセラミックでシュミレーション

歯の植立方向で上顎前歯を製作

同時に下顎のぶ厚いメタルボンドブリッジを

大胆に削合しました。

作り直しが前提ですので

大胆に削合して完成予想を立てます。

 

まったく側貌が変わりました。

イイ感じです。

 

このモックアップ装着で

根管治療の予後を観察してゆきます。

 

前歯が前に出た原因

かなりぶ厚い、メタルボンドブリッジが下顎前歯に

装着されていました。

これに合わせて上顎の前歯を製作したために

本来の歯の位置よりかなり前に突出する

「出っ歯」となったと考えられます。

シュミレーションをするために

大胆に削合しました。

 

上の前歯にモックアップ装着後、下顎除去開始。

かなり手強いブリッジで

金属の肉厚があるので、切断には時間がかかりました。

手強いので、分割切断して除去

修復物の除去は、中がどうなっているのか

予想もできない場合がほとんどなので

手間と時間をかけて慎重に除去します。

 

円滑なカーブで製作

歯の位置はかなりずれています

 

ジルコニアブリッジを制作する場合に

この配列通りに製作するのではなくて

きれいな曲線を描くように配列します。

上顎の4本は、シュミレーションのための

取りあえずの歯ですので

交換前提で、上顎のより良い位置を想定して

下顎の前歯のブリッジを製作します。

 

上顎はモックアップですが、基準として製作

いずれジルコニアになることを前提として

製作します。

 

２本の中切歯の切端は水平に合わせてあります。

また正中線もこれを参考にしてください。

口蓋側はあまり考えていないで

製作してありますので、

口蓋側に咬ませて、合わせてくる必要はなく

上顎前歯をジルコニアに製作前提で

それに見合う切端位置で製作します。

 

ここで参考模型を制作

 

とりあえずのモックアップ

下顎の配列を逃げるように配列

除去後の歯肉炎と虫歯処置をします。

 

技工物完成

オリジナルの歯を想定して制作

かなりすっきりしました。

 

マルチレイヤーのグラデーションがよくわかります。

お口の中で、詳細な水平修正をします。

仮歯除去後

炎症部位も、虫歯もきれいに処理できています。

歯並びの状態がよくわかります。

今までのメタルボンドブリッジの

設計が

 

ジルコニアブリッジ装着

一週間ほどで

歯肉とジルコニアが融合します。

お口の中で水平を調整

咬合も調整しました。

上顎のモックアップのハイブリットセラミック

のクラウンもきれい調整しました。

 

ほうれい線もほとんど消えました。

笑顔

これが他人からみた目線です。

上顎の根管治療の予後を見て

上顎をどうするのか決めればよいと思います。

 

この次の予約で、精密なクリーニングと

調整を行います。

 

この症例の自由診療総額

●ジルコニアクラウン前歯　38,000円×6本

●自由診療除去費用（下顎）5.000円ｘ4本

 

上顎にはファイバーコアは装着済み

仮歯　モックアップなどに関する費用は

いただいていません。

コロナの関係で時間があったので

ここまでできましたが、

通常はできないと考えてください。

 

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