【2023年11月5日 8:48 PM更新】
概要
以前からあったことですが
インターネットで大宣伝をして
荒稼ぎをして、約3年ほどで閉院して
治療の荒稼ぎをする歯科医院が巷に多く存在します。
加工して作られた画像と巧みな言葉で
患者を釣り上げて、スタッフが強引な営業をして
ほとんどスキルのない歯科医師が治療する。
最近では前金で費用を支払う矯正関係の踏み倒しが
よくあるようです。
24時間や深夜診療の歯科医院もかなりの確率で
倒産するようです。
その後の後始末をするとなると
大変な手間と時間がかかります。
歯科医に多額の治療費の支払い その後のトラブルで来院 またトラブル
インターネットに騙されないように
過去に後始末をした人です。
おおよそのところが片づいて
定期点検に入ったところで・・・
また別の個所が破損。
費用をかけたブリッジが折れました。
表から見てもかなり出来の悪いブリッジですが
材料はなど、意味不明の構造をしていました。
レントゲン画像を見ると構造がよくわかります。
(過去の初診時)
ブリッジの橋の部分に心棒があり
土台なしで制作してあります。
おそらく何らかの心棒の周りに
レジンを張り付けただけのブリッジだと思われます。
同時に前が吹きとんだので・・・ネットで見つけた歯科医院行くと
お決まりのインプラント以外対応できないと、ブリッジをきちんと装着してもらえなかった
インプラント前提なので、仮止めと思われますが
見事に前歯は空中分解
残った歯は折れてしまい使用不可能。
この状態で、またまた当院に来院なさいました。
奥歯を作ってから、前歯を作る大原則
この方は典型的な例で、奥歯が崩壊したから前歯が外れた
残ったブリッジを丁寧に除去してゆきます。
ここからブリッジ製作開始です。
ブリッジを製作したくとも、土台が米粒の大きさでは
土台となる歯がある程度の状態でないとブリッジは制作できません
以前の設計のための3次元データです。
グレイの部分が前回の一連の作業で制作した前歯です
正面の極めて小さな歯を土台にしたのが今回破損したブリッジです
土台となる歯ですが
実際は米粒の高さもありません
高周波により歯周組織を整形
歯の長さを伸ばします
ある程度の長さの歯台にブリッジを制作できました。
仮止めをして、歯肉が安定してから
本番の装着をします。
破損したブリッジとの比較
破損したのはプラスチック系の素材なので
この厚みなら簡単に破損するのが理解できると思います。
ブリッジには50㎏程の力がかかると予想されます。
奥歯を作って、前歯を作る法則
かみ合わせの中心は奥歯 奥歯がないと前歯が破損する
ここから先はあまりにも複雑なので
写真だけ。
この歯を残す
この歯を抜去したらあごの骨に
大きな陥没ができるので
前歯がきれいにな要らない可能性が高い
後日仕上がりを見た時に近い出来ると思います。
破片除去
ここまでしても残した方が良いという選択をしました。
周囲組織を整形して 土台(コア)(アバットメント)を作る
ここまでできればこの歯は残ります。
やっとのことでここまでに 歯の位置関係は変わりませんがブリッジはきれいに入ります。
複数の歯科医院でかなり荒らされているので
ここまでの状態にするには
かなりの通院回数と時間が必要です。
かなりの労力を要します。
最近「後始末」と言えるような仕事が多いのですが
極めて多くの来院回数と治療時間が必要なので
コロナ以後で暇なときはよいのですが
通常時には対応できないかもしれないので
来年 2024年には方針転換の予定です。
歯を残した部分は本来の位置も
上側外側にありましたが
ここの歯肉に大きな陥没ができると
あまり美しく仕上がりません。
デザインが上がりました。
歯が折れたり、抜去したり
歯の縁が欠けたところは、
歯肉形態を修正して、歯を保存してあるので
形態は大幅に変わっています。
しかし平均的な基本形態での設計ですので
いい形に設計できています。
第一回目の制作時のものと比較すると
中心の二本は抜去されているので
ブリッジのダミーとなった時に
歯茎方向に長くなりますし
歯の縁が割れた歯に関しては歯茎に向かって長くなるのは
お口の中の形態が変わったためです
装着後にお口の中で女性らしい優しい形態に修正する予定です。
技工物完成
マルチレイヤージルコニアですが
先端は透明感のある明るい色
歯茎にむかって濃くなる材料です。
長い歯の下の部分が他より濃い色なのは
そういった理由です。
先端が明るく透明感があります。
お口の中に装着後形態修正をします。
前歯ブリッジを装着することにより 顔面バランスをよくする
いつもの定番パターンの形態修正
左右の歯の大きさ かみ合わせの不一致があるため
左右バランスがよくありません。
歯の形態は「男子」の形なので
女性らしい優しい形に修正します。
開口時
顔面の左側が落ちています。
大きな目安として左右の鼻孔の形が違っています
鼻孔と口角を最初の基準点として
バランスを取ります。
歯の形態を女性らしく優しい感じに修正
左右の犬歯バランスを取ることで
鼻孔の形 口角の位置も改善に向かいます。
実際はここまで大きく開くことはないでしょうが
前歯の一部が長くなりましたが
抜去すると大きな凹ができるので
抜去保存してしないで保存しました。
ここで「何が何でも抜かないで保存」
した意味が理解できるかもしれません。
この症例も含めて、このWEBにアップしてある
難症例に関して、単にジルコニアを入れるだけではなく
ジルコニアに到達する前の作業に非常に多くの労力と
時間を要することがほとんどです。
2024年からは方針を少し改め
単純にジルコニアだけの費用総額ではなく
それなりに費用を加算するかもしれません。
「費用を加算することは、複雑な作業を求められなくなる」
という意味です。
二週間後 鼻孔の形が左右対称に戻る歯の不正は顔面の形を変える
この症例だけでなく多くの症例に見られる現象です。
他にも多くの症例がこのWEBにアップされています。
前歯の感じも大変よくなりました。
ご主人も喜んでいるそうです。
この症例の自由診療総額 税別
前歯
ファイバーコア(土台) 10,000円x1
●ジルコニアクラウン前歯38,000円x6本
奥歯
ファイバーコア(土台) 10,000円x1
●ジルコニアクラウン奥歯32,000円×4本
前へ:« emax e.max イーマックスインレー セラミックインレー 2023
次へ:金属アレルギー 土台に使う金属が危険 »