【2024年12月29日 5:11 AM更新】
概要
今年の当方の患者さんの総まとめのような
患者さんが最後に来院しました。
何でこのようなことになったのか
最初に大切なのは「ひもとき」です。
最初から一定程度の技量のある歯科医院を受診していたら
まったく問題がなかったと思われる症例です。
疑問1.咬めない 咬めないと 複数の歯医者に行ったが最終的に大学病院を紹介された
疑問2.大学病院では補綴科に行ったのだが、そこでは時間もないし忙しいので治療不可だと
そこでは手も足も出ない 治療不可能とわれて
忙しくて他の患者さんを抱えているので
時間がないとのこと。
ここまでの矯正治療は良い治療がされていると
思います。歯を一本抜去して並べ直しの
過程だと思います。
疑問3.補綴科から矯正科にまわされ 矯正科では。。。
エッジワイズ法やアンカーなどである程度治療をしたのち 上下の骨切手術予定
二週間ほどの入院となり、その間は上下の歯をワイヤーで
結束するため、顎を固定するので流動的な食事で過ごすようです。
ご本人が入院手術をしてまでやりたくないというご希望がありますが
大学病院での詳細な説明後、治療同意書に署名なさっています。
受診なさった大学矯正科は、きちんと仕事している
優良な仕事をしていると思います。
参考程度に、この矯正治療は
一般の矯正歯科医院で100万円コースだと思います。
治療費はあまりかからず、その都度支払っているそうです。
3万円のこともあれば3000円円のこともある。
かなり恵まれていることもご本人は気がついてないと
思います。
4.矯正科での治療計画同意書
主訴の部分とお口の中 それまでの経緯を聞けば解決法は理解できると思うが
歯がすり減って咬めないは、補綴科の仕事だと思うのですが・・・
何でこのような経緯になったか考察 誰にもわかるように画像で
咬めないのは当たり前 上下左右奥歯の状況
●当方の所見では、この患者さんはかなりの歯ぎしりをしている
●どっかの歯科医院を受診した際に、銀歯を白くしましょうと
金属歯を除去して、レジン充填をした。
●当方ではしばしば皆様への注意喚起として
奥歯の力のかかる部分にはレジン充填をしないこと
と多くの記事が掲載されている。
参考後で見てね
実際にこの患者んの減り方を見ると
左下
奥のレジン充填はまるでテーブルの天板にように
ペタンコ 完全にすり減っている、これでは咬めない
手前の金属をよく見ると金属より、自分の歯の部分が減って
金属と歯面に段差がある。
歯ぎしりによる素材ごとの減り方が異なる典型例
金属が残っているので、
主訴の欄にある左側だけで咬んでいる・・言い方を変えて7
左側だけが咬める
右下
当たり前だが歯ぎしりでレジン充填は
テーブルのようにぺったんこです。
右上
お見事にレジン充填が減って
歯の中身の象牙質が見えています。
黄色なのが象牙質です。
歯ぎしりに人の大臼歯咬合面にレジン充填をすると
あっという間に減ってしまいます。
左上
歯ぎしり摩耗で象牙質が出ています。
ここから、あっという間に歯は減ってきます。
左がわ、最後臼歯には金属インレーが残っているので
上下に一本づつ残った金属の歯で咬んでいるものと思われます。
しかし、金属と歯の境目には大きなギャップがあるので
金属は脱離なりをして、すべて奥歯から崩壊が進むのは
間違いないでしょう。
疑問への答え
1.2.大学病院は歯科医の教育場所
大学病院は歯科医の教育場所なので
最初に出てくるのはペーペー と言って
一番下っ端が出てきます。
しかし、公平に考えて、下っ端はおそらく無給!
給料をもらっていない人間であることが多いです。
また無休!かもしれません。
補綴科など症例が少ないので、こういった事例では
解決方法が見つからないのではないでしょうか?
歯科の現状を考えても
現状の歯科の仕事 を考えると
優秀な人間は歯科医になりません。
優秀な人間がなりたい職業は、当たり前だか高所得の得られる仕事です。
歯科の場合には 大学の定員割れ 国家試験に受からない
大学の偏差値がきわめて低い などの問題山積みです。
「歯科医 平均時給」 とgoogleで検索すると
マックでのアルバイトとほとんど変わらない金額です。
マックのアルバイトさんに高度な知識や経験、
技術を求めるのは無理なことでしょう。
一般の方々と思うことは異なるとは思うが
現役バリバリの歯科医の視点では、歯科医というものは
現代の日本社会では
「落ちこぼれ」の範疇に入る仕事であると思います。
現実には、歯科衛生士 看護師などよりも給与は低額の事例は
たくさんあり、開業しているなかにも
ピンセットもろくに持てないような
輩に遭遇することも稀ではありません。
自営業ですので事業を大きく拡大して
億単位で稼いでいる歯科医院もあるもの確かですが
その一方開業しても消えていく歯科医院が
急増しているようです。
3.4矯正科での対応
矯正科は自分たちの仕事をよくやっていると思います。
ただし、矯正科目線での対応が残念なところですが
矯正科は矯正の仕事をすることです。
医療というものは何を第一目標とするか?
それは患者さんの主訴です。
主な訴えですのでそれを解決するのが
第一目標です。
この場合には「咬めない」が第一目標なので
咬めることを目標とすればよいのですが
矯正を開始するに先立ち
矯正の指針として「セファロ」という規格写真のレントゲンがあります。
横顔をレントゲンで撮影です。
頭蓋骨のそれぞれの基準点を線で結び数値化して
理想的な顔面を作るための基準とします。
おそらく、骨切術まで話が拡大したのも
真面目に矯正をして頭蓋骨に対する上下の額に位置を
いい形に変えるという結果が出たからでしょう。
大学病院でも矯正科は、ある程度スキルがないと
矯正処置ができないので、下っ端は見学
スキルのある歯科医が担当したと思います。
担当している歯科医は真面目に仕事をしています。
しかし患者さんがそれを望まないのならば
違う解決方法を探すべきだと思います。
最もこの場合は治療計画同意後に患者さんが
やっぱやめだ だから矯正歯科医は
この先どうしたらよいのか困るでしょう。
北村歯科での見解 問題解決法の選択肢
最優先は歯ぎしり対策 やってはいけない治療法 銀歯をレジン充填
重度の歯ぎしりは崩壊への一方通行
ただ単に銀歯をレジン充填にしただけで
矯正治療となり4年以上の時間とそれなりの経費など
かなりのエネルギーを使うことになりました。
最終的には、全身麻酔をして上下の顎の骨を切って
歯並びの位置を変える手術をして
その後にまた矯正治療。
矯正治療が成功しても
最歯の減り、摩耗は止まらないので
必ず咬めなくなるか、咬合性外傷で破壊は続くでしょう。
この後のストーリを予想すると
外科処置を挟んだ矯正治療をしても
重度の歯ぎしりが続く限り崩壊へ、まっしぐらです。
矯正後は歯周病にも弱く、負担過重による
咬合性外傷などでも歯が抜けるか崩れるかするでしょう。
従って矯正をしても崩壊を早めるだけです。
矯正は途中でやめられない
この段階でも歯並びはよく並んでいます。
画像には残しませんでしたが
歯ぎしりマウスピースをお持ちになりましたが
その歯並びを見ても、現段階まで矯正治療は
よくできており、順調かと割れます。
しかし、現段階で矯正装置を除去すると
個々の歯はグラグラで保定装置を2年以上使った
歯のグラグラを止める処置が必要です。
したがって矯正処置はやめられません。
骨切術の人はどんな人
他院様のWEBですが
勝手にリンクさせていただきます。
当方が電話で受けたメモを見たときに
上記のような症状のある方と思いましたが
ごく普通の感じの人でした。
この患者さんの場合には
過蓋咬合という上下の関係だったと想像していますが
その場合に上の歯と下の歯が距離があるので
矯正治療計画にあるように
●上の歯を奥に大きく動かせないので
顎の骨ごと内側に
●下の歯を上の歯と咬めるほど倒せないので
顎の骨ごと前に
という目的かと思われますが
現実には、過蓋咬合の人がものを噛めないのか?
そのようなことはありません。
脳が無意識にコントロールして
皆さんきちんと機能しています。
過蓋咬合に関しては下記をご参考に
選択肢1 大臼歯だけジルコニアクラウン 矯正続行
矯正をやめるのではなくこのまま続行にして
奥歯のすり減った部分をジルコニアクラウンにする。
一時的に大臼歯の部分の矯正装置を除去してもらい
ジルコニアクラウンを制作。
すでに顎の骨にスクリューアンカーが
埋め込んであるのでジルコニアクラウンに
接着は求めないだろうから可能だと思われます。
ジルコニアクラウンで摩耗対策後
引き続き矯正を行う。
2.矯正は続行して、抜去して作ったスペースはブリッジ
ジルコニアブリッジを制作する。
矯正のために抜去して欠損した歯の部分をブリッジにする。
ブリッジがあるので、
これ以上遠心側には歯を動かさなくてよいので
ある程度の矯正の進行度合いで保定に入る。
3.最後まで矯正をする。矯正しても重度歯ぎしりの対応をしないと崩壊する可能性
矯正は歯ぎしりでの崩壊を加速するので
必ず対策は必要委です。
最後にもしも、最初から根患者さんにお会いしたなら 咬めないと気が付いたときにおあいしたら
瞬間に解決 小さなメダカも大騒ぎすると大きなクジラになる
小さな出来事も大騒ぎすると大事になります。
下記は一例
患者さんへのアドバイスは
大騒ぎしないこと
とお伝えいたしました。
s
一般の皆様にも
★ネットを信用しないこと
★勝手な思い込み、擦り込みをしないこと
★他人の噂を信じないこと
★疑わしいと思ったなら、行く先を変えてみる
この症例は最初の一歩がきちんとしていれば
きわめて簡単な症例だったと思います。
受診する歯医者さんの言うことを
あまり信じてはいけない場合もあります。
すべては「セールス」なのです。
この症例の場合をはじめ、ここのWEBに掲載してある症例では
初診後計画には5~6時間ほど(夜10時から始めて深夜3~4時くらい)
時間を要しますので、タクシーに例を取るならば
京都までの費用である 20万円程度の請求ができる
仕事であると評価できると思います。
高額と思われがちですが
トラックをチャーターしてもほぼ同額
引っ越しならはるかに高い金額になると思います。
運送業でも、製造業でも、建築業でも
ほぼ同じような基準でものの価格は決まり
それに基づき皆様方の給与の金額も算出去るものと思います。
その点をご理解くださいませ。
最近当方この手の転院、ご相談などが多くなりましたが
琴らとしても、つまらない問題で大騒ぎする転院患者さんに
うんざりしているのが本音です。
うんざりしているので、来ないでね!とも言えないので
10分以上のご相談は60分まで、10万円の価格を設定すれば
防止対策になるのでは と 考えています。
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