難症例の続くかみ合わせ修正

噛み合わせ不良
噛み合わせの悪い人は自分では気がつかない

過去に装着した修復物が
きちんと咬合していないために
かみ合わせ治療をして修復した症例

金属冠をジルコニアに交換時に かみあわせを修正した例

かみ合わせが不整になっている人は
本人が気づいていない場合が ほとんどです。

 逆に自分でかみ合わせが悪い という人はかみ合わせに
問題がない場合がほとんどです。

不思議と思われるかもしれませんが
人間には背の高いヒト 背に低いヒト
目や口 顎や鼻とおおくの部品がありすが
すべてのヒトはその形態大きさが異なりますが
正常に機能していれば普通は問題はないと考えられます。

咬み合わせの悪いのは誰かの手が入った部分

かみ合わせが不整の原因のほとんどが
歯科治療をしてある部分が
原因と思われる場合に多く遭遇します。
初診時のカウンセリングの際に
写真撮影をして
患者さんご本人にその時点での
状態をご説明しますが
そのときにかみ合わせの異常に気づき
お話する事もあれば
ジルコニアなどの修復物を制作する際に
上下関係を確認しながら
修復物を制作する準備をしている際に
気がつくこともあります。
これはおかしい・・・
と思われる場合には
ほとんどの場合過去に
誰かが手を入れた場所に
異常があります。

この症例で咬み合わせの修正が必要な理由

 

この症例の場合には
特定の歯だけに負担かかっています。
特定の部位だけに荷重が掛かっている状態は
特定の歯だけが負担過重になり
歯の寿命を著しく短くするからです。
この患者さんは、
ジルコニア修復のためにお見えになった方です。
都内の有名歯学部で治療をしていましたが
訳あって転院されました。

当初は上顎の一番奥の歯の穿孔を
MTAセメンので閉鎖して
予後観察の歯に対してジルコニアを装着したり
反対側の一番奥に痛みを感じるので
根管処置をしていました。

痛みが収束してもしばらくは
根管治療はを続け、痛んだ部分がご本人の生体反応で
修復糧過程に入った兆候があれば
保存処置をして、形態回復のための
補綴処置、すなわちクラウンなり、
ブリッジの製作に入ります。

かみ合わせを最初に位置決めする場所

かみ合わせ治療は
通常ならば下顎の5番目6番目の
位置決めから始めるのですが
この場合には一番奥の歯の治療が穿孔したために
かみ合わせの不整を気がつきませんでした。

特にかみ合わせ治療として、料金をいただいている訳ではなく
「見つけたら直そう」といった主旨でやっていることなので
発見が遅れてもご容赦願いたいと思います。

かみ合わせの不整気に気がついた時の画像

上顎の一番奥の歯を製作する際に

細かな審査を、すなわち補綴審査をしますが

そのときに気がつきました。

 

上下の前歯が咬んでいない

上下の前歯にかなりの間隙すなわち、

すき間があります。
もちろん個性として最初からこの様な状態なら
問題はありません。

 

この症例の場合には

過去において歯ぎしりで

上下の歯がすれて

歯の頂点が複雑にすり減っている事が

はっきりと下の前歯に

その痕跡が残っていました。

 

従って、上下の前歯はきちんと接触して

咬んでいた痕跡なのです。

 

しかし・・前歯の上下が全く咬合していません。

これではものをかみ切れません。

上下の歯がかみあっていないのは、口の中の金属冠に原因が

 

画像を見ると、下顎の前歯は

過去には上顎の歯とかみ合って

なおかつ複雑にすり減った痕がありますが

現在では上下は噛み合っていません。

想定ですが・・・

奥歯にクラウンが入っていますが

上下のクラウンの位置決めがが高いまま

製作したクラウンの影響で、

上下関係が異常に高いのに気がつかず、


この銀歯の高さに合わせて
その後の治療が行われてきたようです。

原因はこの金属冠の咬み合わせが、異常に高い事にある

この銀歯の咬み合わせ高いのですが
最初は奥歯が痛いという訴えで来院されたので
根管治療をしていました。
そしていちばん奥歯を製作するために

詳細な審査をすると

なんと前歯が噛み合っていません。
しかし過去にはかなり強く噛み合っていた
痕跡があります。

上顎の金属冠も咬み合わせが異常に高いので除去しました。

 

金属冠 すなわち金属クラウンには

激しく接触していた

打痕我があります

常に検査 確認をするようにしています。

下顎前歯の頂点を見ると減っている。過去に咬んでいた痕跡

下顎前歯の頂点を観察すると

歯ぎしりによって摩耗した痕があります。

ここまで咬耗した理由は、長年にわたって

上下の歯が接触していた動かぬ証拠となります。

かみ合わせを元に戻す基準を探す

かみ合わせを戻す基準として
自分の上の歯と 自分の下の歯が噛み合う場所を探します。
やや黄色い歯が天然歯です。
 上下が天然歯ですが現在は接触していません。
しかしながら過去に接触した痕跡がはっきりとあります。

一部残っている自分の歯と自分の歯が接触する場所を基準に

 

黄色いのが天然歯

すなわち自分の歯です。

上下の犬歯の当たり方を見ると

犬歯・・・すなわち糸切り歯は

先端が噛み合わせて咬耗しているにもかかわらず

上下の糸切り歯は接触していません

本来かみあっていた分に、間隙があるのがよく分かります。

天然歯とが接触するまで調整します。
微妙に接触するところでストップ

調整がうまくいっている時は
時間の経過とともに
本人の咬合力で自然に接触するようになります。

基準点の上下の歯が接触

紙一枚のすき間がありますが

ここでストップ

3週間ほど様子観察をすると

自分の咬合力で

歯が動いて接触するでしょう。

下の画像は上下の接触痕です。


白いジルコニアは都内有名歯学部で

入れたモノです。
有名歯学部でも、銀

歯の咬合が高いのに気づかず
ジルコニアを入れたので、

それまでも調整が必要になりました。

手前の2本の天然歯は上下が
微妙に接触しています。
ここから一週間そのまま
ご自分の咬合力ではが動くはずです。

赤い点が接触点 一週間単位で調整してゆきます

 

微妙に動き出します

一週間後
上下の歯が動いて
上下関係が変わってきました。

歯にすり痕がついてきました。

白いジルコニアに黒く跡がつくのは
歯ぎしりにより
下の銀歯と接触した痕です。
銀を白い砥石でこすると。そのお黒です

大学病院ジルコニアが一番強くあたっているようです。

また犬歯の表側が上の歯の裏側と
接触している様子が分かります。

普通はこの場所は接触しないのですが

この症例では
上下の歯の本数が異なるので
通常とは違った場所が接触しても仕方がありません。

しかし明らかな咬合干渉なので
微妙に削合して顎の動きを制限しないように
解放します。

通常なら接触しない場所に干渉しています。

 

時間をかけると、次第に動き出し筋力で本来の位置へ

またまた一週間後
ほぼ通常の上下関係になりました

ここで上顎前歯をバランス良く設計して
上下関係を回復すれば
前歯を普通に使うことが出来たのですが・・・
患者さん曰く・・・・・
「この歯はダメな歯です。」
ダメな歯ですから、いずれインプラントに。。。。。
と、大学で言われたとのこと。

当方は患者さんと論議をしませんので
意見の押しつけは一切しません。

したがって
残念ながら、ここで治療は終わり。
また機会があったら
もっと良い状態にしましょう。

患者さんの言うには
「この前歯は、インプラントを入れたとき(右上前歯)
大学で削られししまった。」

とのことですが、
どう見ても歯ぎしりです。

人為的に削ったなら一線上になりますが、
上の歯の配列に従って咬耗するために
ここの歯の削れ方が異なります。

また一部の歯は
部分的に破折しています。

一応ご説明はしましたが・・・
大切なのは患者さんのご希望です。

下顎前歯が不揃いの原因は、咬耗と呼ばれる摩耗が原因

最後になって患者さん側より
「歯石などを取ってもらうことは可能ですか?」
などとご質問が ありましたが・・・

当方では、患者さんの治療台(歯科ユニットと呼びますが)
超音波スケーラー
(歯石除去や歯周処置、根管治療などに使用します)
が各ユニット4~5台配置してあり
患者さんがお見えになる際には
徹底的な歯周処置をしています。

この画像は、スケーリング、ルートプレーニング良好
と確認のために歯肉の中まで
超音波スケーラーチップで処置した後ですが
これも良好になっていました。

しかしながら、患者さんとは論議せず
これで終了としました。

ノブのついた白い歯がインプラントですが。
その周囲の炎症が気になります。
インプラントは動揺していたので

おそらくインプラント周囲炎だと思います。
この場合には

「光殺菌」
「光線力学療法」
「PDT」

名前はいろいろありますが、
その治療法が有効だと思います。

最後まで治療ができなくて残念です。また機会があったら続きを



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご予約・お電話でのお問合せ

ご予約やお問合せは、お電話または受付にて承ります。
▼ご予約・お問い合わせはこちら

TEL:045-504-6600

TEL:045-504-6600