「歯の神経を取りましょうと言われた」「抜歯と言われたが、できれば残したい」。
神経(歯髄)や根管治療のご相談は、年々増えています。
根管治療は、歯を残すための最後の手段である一方、
成功と失敗の差が非常に大きい、難しい治療でもあります。
【結論】根管治療でまず知っておいてほしいこと
- 虫歯が深くても、まず「神経を残せないか」を検討する価値があります(MTA・覆髄など)。
- どうしても神経を残せない場合に、歯を残すための最後の手段が根管治療です。
- 根管治療は時間・回数・技術が必要で、状態によっては抜歯をおすすめせざるを得ないケースもあります。このページでは、
- 「神経を残す治療との違い」
- 「根管治療が必要なケース」
- 「抜歯か保存かの目安」
- 「治療の流れ」
- 「よくある質問」をまとめました。
【このページでわかること】
- 根管治療とは何か(神経保存との違い)
- 根管治療が必要になる典型的なケース
- 「抜歯」と「保存」の境目を考えるポイント
- 北村歯科での根管治療の流れと限界
- 転院・再根管治療(やり直し)が必要なケース
- よくある質問(回数・痛み・費用・マイクロスコープなど)
根管治療とは? 神経を残す治療との違い
歯の中には歯髄(しずい)=神経と血管が通っており、
虫歯や外傷などで炎症や感染が起きると強い痛みが出ます。
神経を残す治療(MTA・覆髄など)
虫歯が深くても、神経の一部だけを処置して残す方法があります。
MTAセメントを使った覆髄などで、できるだけ歯を「生きた状態」で残すことを目指します。
「神経を残す治療」に関する詳しいQ&Aは、
歯を残す治療(MTA・覆髄・神経保存)FAQ 50問 をご覧ください。
根管治療(神経を取って、根の中を清掃する治療)
どうしても神経を残せない場合、
感染した神経を取り除き、根の中を清掃・消毒して薬を詰める治療が根管治療です。
- 強い痛みが続く
- 根の先に膿の袋ができている
- 過去の根管治療がうまくいかず、再び痛みや腫れが出ている
こういった場合に、歯を抜かずに残すための選択肢として根管治療を検討します。
根管治療の基本的な考え方は、
根管治療 FAQ 50問 北村歯科/鶴見区 でも詳しく解説しています。
根管治療が必要になる典型的なケース
1. 何もしなくてもズキズキ痛む・夜眠れない
虫歯が神経まで進行し、自発痛(じはつつう)が出ている状態です。
神経が強い炎症を起こしているため、多くの場合神経を残すことは難しく、根管治療が必要になります。
2. 噛むと痛い・違和感が続く
過去に神経を取った歯(失活歯)でも、根の先に炎症や膿ができると、
噛んだときの痛み・違和感が出ます。
この場合は、再根管治療(やり直し)が必要になることがあります。
3. 他院で「抜歯」と言われたが、まだ残せる可能性がある歯
「レントゲンだけ見て抜歯と言われた」「根管治療は難しいから抜きましょう」
という説明で転院される方もいます。
実際には、
- CTや拡大視野で確認すると、まだ根管治療で残せる歯
- 逆に、すでにヒビや骨の吸収が大きく、抜歯を検討すべき歯
に分かれます。
転院事例の一つとして、
転院 根管治療 有名大学からのご紹介【転院事例1】 などもご参照ください。
4. 自費のブリッジ・ジルコニアの下が痛むケース
高額なジルコニアブリッジやクラウンの下に炎症が起きている場合、
多くは一度除去して根管治療をやり直す必要があります。
そのまま薬だけ入れても、原因となる感染源が残っていると改善しません。
抜歯か保存かを決めるときに見るポイント
「抜歯か保存か」は、次のような要素を総合して決めます。
- 歯根の長さ・太さ・形(極端に短い・細い・曲がっているか)
- 根の先の炎症の大きさ(骨の吸収の程度)
- 歯根にヒビ・割れがないか
- 残っている歯の量(歯ぐきより上にどのくらい歯質があるか)
- 全体の噛み合わせ・歯周病の状態
根管治療で残せる可能性が高い歯
- 歯根の形が比較的素直で、十分な長さがある
- 炎症はあるが、歯根に明らかなヒビ・割れがない
- 被せ物の設計に必要な歯の量が残っている
抜歯を検討すべきことが多い歯
- 歯根の割れがCTや拡大視野で確認できる
- 歯ぐきより上にほとんど歯が残っていない
- 何度も根管治療を繰り返しても、膿や痛みを繰り返している
「抜かずに済む可能性はゼロか?」「残せても、どのくらい持ちそうか?」など、
メリットとリスクをお話ししたうえで、最終的な選択は患者さんご自身に決めていただいています。
抜歯告知から根管治療で残せた例として、
CASE4 歯を抜かなくてはいけないと告知された例 根管治療 もあります。
北村歯科での根管治療の流れ
- 診査・レントゲン(必要に応じてCT)
痛みの原因・根の形・炎症の有無・歯周病の状態などを確認します。 - 神経保存の可能性の検討
虫歯の範囲や症状によって、MTAなどによる神経保存が可能かどうかをまず検討します。 - 根管治療の開始
やむを得ず神経を取る場合、ラバーダムや拡大鏡などを用いながら、
根の中を清掃・消毒していきます。 - 根管充填(こんかんじゅうてん)
清掃・消毒が十分に行えたら、根の中にお薬とポイントを詰めて密封します。 - 土台・被せ物の製作
ファイバーポストなどで土台を作り、
保険の被せ物やジルコニアクラウン・ブリッジなどを製作します。 - 経過観察・メンテナンス
根の先の影が小さくなっていくか、症状が落ち着いているかを確認しながら、
定期検診・クリーニングで経過を見ていきます。
根管治療に関する詳しい話題は、
根管治療カテゴリの記事一覧 も参考になります。
転院・再根管治療(やり直し)について
すでに一度根管治療を受けている歯でも、 痛み・腫れ・違和感が続く場合には、
再根管治療(やり直し)が必要になることがあります。
また、ネット上の情報(マイクロスコープ・ラバーダムなど)だけを頼りに、
遠方の専門医院に行くべきか悩んでいる方も少なくありません。
北村歯科では、
- 今の状態で本当に再根管治療に意味があるか
- 抜歯・インプラント・ブリッジなど他の選択肢との比較
も含めて、現実的なメリット・デメリットをお話ししています。
転院とネット情報の落とし穴については、
根管治療のお話。転院 ネットを鵜呑みにしない マイクロスコープなど
もあわせてご覧ください。
根管治療に関するよくある質問
Q1. 根管治療は何回くらい通う必要がありますか?
歯の場所・根の形・炎症の程度によって大きく変わりますが、
1〜2回で終わるケースもあれば、数回以上かかるケースもあります。
初診時におおよその回数の目安をお伝えします。
Q2. 根管治療は痛いですか?
麻酔を十分に効かせて行うため、治療中の痛みはできるだけ少なくなるように配慮します。
ただし、炎症が強い場合などは、麻酔が効きにくいこともあり、
その場合は治療の進め方を調整しながら慎重に行います。
Q3. 根管治療をすれば、必ず歯は一生持ちますか?
残念ながら、根管治療をしても一生トラブルが起きないとは限りません。
噛み合わせ・歯周病・新たな虫歯・歯根のヒビなど、さまざまな要因でやり直しが必要になることがあります。
そのリスクを減らすために、適切な被せ物・噛み合わせ調整・定期検診が重要です。
Q4. 根管治療や再根管治療は保険でできますか?
多くの根管治療・再根管治療は、保険診療の範囲で行うことが可能です。
ただし、その後に選ぶ被せ物(保険の冠・CAD/CAM冠・自費のジルコニアなど)によって、
最終的な費用が変わります。初診時に複数の選択肢をお話しします。
Q5. 他院で「専門医でないと無理」「抜歯しかない」と言われました。相談だけでもいいですか?
はい、セカンドオピニオンとしての相談だけでも構いません。
レントゲン・診査の結果をもとに、残せる可能性・抜歯した場合の選択肢をお伝えします。
そのうえで、「どこで治療を受けるか」は患者さんご自身に決めていただいています。





