転院 不定愁訴に対応【症例2】


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2019年 噛み合わせ治療シリーズ
歯科医師向けセミナーのスライド写真から
制作したWEBページです。
じっくり見ないと流れが理解できないかもしれません。

異常箇所は「人がいじったところ」

治療中に転院してきた方です。

とにかく、かみ合わせが、かみ合わせが 強くご主張なさる方です。


●かみ合わせが悪い
●何も食べられない
●口の中が不快でたまらない
●とにかくどうにかして欲しい

いつもながらの事ですが、
悪くなっているのは人がいじったところです。

口腔内不定愁訴 理解できる場合と できない場合があります。

ブリッジを入れて不調になった

転院してくる前の歯科医院では、「自信がない」と治療をお断りされたようです。

当方で、1番力を入れているのが
カウンセリングと審査です。
当院に来院される方で1番困った事は
歯医者を何軒も回って、そこでやりっ放しになっている場合に
治療が困難な症例となることがほとんどです。
多くの歯科医が手を付けている場合は
歯科医よりも患者さんに問題ありと
思える場合が多いのだと感じています。

ただ見るだけなら、ごく普通の状態です

ハムラーノッチの外側にブリッジが製作されている

状況にもよりますが
ハムラノッチは義歯などで
歯の配列を決める基準になるところです。
通常はハムラノッチは歯を配列する際の
一番奥の基準点となり
歯並びを決める基準ですので
ハムラーノッチと手前の基準点の上に
歯を配列します。

この症例の場合には基準点の外側に
ブリッジが延長してあり
また歯槽骨のない部分に延長しているので
違和感があることは理解できます。


とにかく不平不満の連続でしたが

話を聞いてもらうと人は楽になる



困ったなあ。と審査してゆきます。
当院で診療なされない方でも
来院された方は必ず審査とカウンセリングをしています。

延長部分をよく観察すると歯槽骨のない部分に延長されています

これは不必要な延長です違和感があります。


最後部に延長して歯を1本足すことにより
ブリッジは3本となり
2本の場合の5割増しの価格になります。
ブリッジの延長部が頬などの他の組織に当たるために
脳は、当たらないように
コントロールして顎の動きをコントロールしますが、
それによる弊害で、ストレスがたまるようになります



確かに、かみ合わせが不安定になっています

噛み合わせが安定せず、左右に大きくスライド


普通に噛むと上下にすき間が空いています。
何度も噛んでいただき,噛み合わせを確認しますが
噛む度に,噛む場所が異なります。
これは日常多く遭遇する事例で
珍しい事ではありません。


噛み合わせ場所の特定

手慣れていれば、噛み合わせの中心を発見できる


噛み合わせの場所を特定するには
「しぶとさ」が大切です。
これは噛み合わせ治療の基本です。

いろいろな方法があるのですが
あきらめずに誘導してゆくと
噛み合わせは、一点に決まります。

ジルコニアブリッジなどの多数歯の
修復物製作の時には、このような誘導法を行うのですが
困った事に、この症例では上下にジルコニアが装着されています。


異常な刺激があると、脳はそれを関知して
退避行動を取ります。
したがって通常考えられない、顎の動きをします。

その異常な顎の動きが
ストレスとなり
精神状態までが異常になっている事に
多くの歯科医師は気がついていません。

かみ合わせの不調は精神に悪影響を及ぼします


強度の不快感は原因は、延長されたブリッジにある?


延長部分を切断することにしました。

なれていまいと、お口の中でジルコニアを切断するのは
かなり厳しいと思います。
また一番奥なので、やりにくい部位ですが
とにかくやりました。



装着したジルコニアですが、熟練していれば切断できます。


切断面を違和感ないように形態修正しました。
赤い点は噛み合わせの検査の痕です
左右均等に調整しました。

赤い点は噛み合わせ検査の痕です。
ハムラノッチよりも外側に配列されているのですが
下顎の配列が外側にずれているのか
それとも元々そのような「生え方」をしていたのかは
不明です。


結果は・・・・

不快症状はなくなったとのことです


これで、当院の診療は終わりとしましたが
後日、患者さんからお電話があり
当院での治療をご希望なさいました。

その後に発見したこと

いつもの事ですが、仮歯での来院は悲惨な結果を生みます

とりあえず仮歯を除去しました。


転院前に通院していた歯科医は
あなたを治療する自信がないと
治療を放棄したとのことですが
仮歯のままの来院です。
仮歯を除去して何が出てくるのか?


2本の歯が出てきました。
前から5番目と7番目の歯です。



仮歯の土台になっている歯はとんでもないことに

5番目の歯


転院前の歯科医院で
麻酔をして神経を取ったとのことです。
仮歯を除去すると、中に治療薬は入っていませんでした。

なんと驚いたことに
中に赤い歯髄(一般的に神経と呼んでいる部分)が
そのまま残っていました。

これは「痛み」を感じるのも
当然のことだと思います。
このような状態で来院される患者さんも
多数いらっしゃいますので
珍しいことではありませんが
転院はとにかく手間がかかります。


7番目の歯 折れた「リーマー」の除去をしました


これはもっとひどい
中に金属が見えます。
これを取らないと何もできません。
神経を取ろうとしたのでしょうが、
器具が「折れて」しまったので
そのまま放置されていました。

このようなときは、根管治療専門医をお勧めしたいです。
しかし、根管治療専門医は、かなり高額な費用が掛かります。


転院患者さんは、放置だらけの場合が多い


これは治療中に折れた
「リーマー」と呼ばれる器具でした。
細い、ネジ上の針が刺さっていると
考えて下さい。
徐々にアプローチして、除去してゆきます。
歯科医に取って「折れリーマー」の除去は
時間と手間がかかる面倒な処置です。
発見すると、歯を抜くのが普通の処置です。



リーマーは除去できましたが

神経を取ろうとして、そのまま放置されていた



折れリーマーは取れました。
しかし、患者さんは、痛みを訴えます。


さて,ここからが本番

ここから根管治療の始まり



さらにアプローチ
中身はどうなっているのか。
全く見えません。



神経を探し出しました

神経は二次象牙質の中から見つけました。
リーマーで根管を探していたのでしょう。
しかし、根管は全く違うところにありました。
歯の硬い部分にリーマーが刺さり
そこで破折となったわけですが
中には痛んだ神経があります。

損傷した歯髄はかなりの痛みがあります。

文明の利器 ニッケルチタンファイルになれていると
このように綺麗に根管をオープンする事が
可能となります。


結論は・・・・

神経を取ろうとしたが、リーマーが折れたので放置されていた

神経腔を探すのに努力したけど、見つからず、器具を破損して放棄されたままでした


神経を取るのに失敗、そのままふたをしてありました。
放置さあれていた歯は、痛くて当然。
この後、これを使えるまでに処置してゆきます。
転院はとんでもない手間が掛かります。

この患者さんが

精神的に悪影響を受けていた理由が理解できます。

根管充填はシングルポイント法


wave-one gold #35
ミディアムと呼ばれるファイルまで拡大しました。

この症例はイニシャルトリートメントでしたので
#10での穿孔から、
プロテーパー ゴールドでの根管口の拡大
プログライダーによる予備拡大
wave-one gold #25プライマリー 
同じく ミディアムで根管形成後
wave-one ゴールド専用ポイントと
SHプラスシーラーで
シングルポイント根管充填を行いました。





2019年からは、は転院患者さんの受け入れは

ハードルを高く設定させて下さい。

時間と手間がかかりすぎます。


噛み合わせの不調があるので、
精神的なストレスを持った方が多いので
対応も大変です。


転院に関して ハードルを高くします。

転院してくる方は、いろいろな理由があると思います。

仮歯での来院 治療放置 治療途中 価格が安いから
複数の歯科医院を巡って、元の状態が分からない方 
などが考えられます。

しかし、一般の患者さんと比較して
ものすごく時間と手間がかかります。
この場合には「自由診療安価プロモーション」
の除外として、ハードルを高くして
一般価格での取り扱いとなります。

転院のかんじゃさん 料金例 ジルコニアクラウン奥歯 96,000円(安価プロモーションの3倍に設定)
(三倍に設定しても、横浜市内の一般的な歯科医院より安価です)

ほんとうにお困りの方はご相談ください。
状況を見てご相談させていただきます。



さて、この後は アップする気にもなりませんでした。


この症例の自由診療総額

●自由診療はなし



2019年特設ページメニュ-

 1.ジルコニア矯正 こちら (一般歯科医院ではあまり見せない、裏側の状態もお見せしています)
     ●ジルコニア矯正 とは 何ですか??
   ●ジルコニア矯正のリスク続き 手を付けた部位の修正ややり直しはたいへん
   ●悪くなるのは誰かが削った所その2 (ハイブリットレーザーでの症例)
   ●ジルコニア矯正のリスク 実例 削ったままで来院 (仮歯のままで来院 咬合傾斜)
   ●ジルコニア矯正のリスク 実例 下顎の前歯には要注意 (失敗ラミネート修正)
   ●矯正が目的でなくても、ジルコニアにするなら美しく (多数歯入れ換え)
 今までの特設ページにも、参考になる事例がたくさんあります。 こちら
 
 2.金属アレルギー こちら
   ●歯科における金属アレルギー対応の基本 時間が掛かる事なので、長いページです。
 
 3.転院の方、仮歯のままの方、放置の方は こちら
   ●有名大学からのご紹介 エリートはリスクを取りたくない (抜くといわれた)
   ●かなり強烈な個性の方 (できることはやりますが どおりに合わないことはやりません)
   ●抜くといわれたブリッジを 基本処置だけで保存 (抜かなくても基本処置で保存)
   歯並びの不調は顎顔面の変形になります。 (鼻を基準にしています)
 
 4.自分で歯は付けないでください。
   ●自家治療 天才かも 自分で歯を付けた人 女性編 第一部 手間と時間は1000倍 
   ●自家治療 自分で歯を付けた人 女性版 第二部 手間と時間は1000倍
   ●自家治療 自分で歯を付けた人 女性版 第三部 前歯編 ヘタな歯医者がいじるより軽傷
 
5.顔面や顎の変形を、噛み合わせ治療で修正 
  ●歯槽のアーチに歯列を乗せれば顔面が変わる 鼻穴の位置でよく分かります
  ●移動した歯の位置や顎関係を修正 鼻穴の位置でよく分かります
  ●元々の歯の配列でバランスが良くない この場合にはいじる必要なし
 
 6.自由診療 安価プロモーション 2019年症例




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