自分で歯を付けた人 女性版 第一部 手間と時間は1000倍


2019年 噛み合わせ治療シリーズ
歯科医師向けセミナーのスライド写真から
制作したWEBページです。
じっくり見ないと流れが理解できないかもしれません。
特にこの症例は三部作で、スライドの数も多いので
スライドを見ながら解説しないと
よく分からないかもしれません。

この方は人間として好感の持てる方でした

普通なら絶体にやらない症例です。

しかし、いい人だから、不可能の挑戦しました。



歯科医になって、こんな経験初めてです。

何もかも、自分で付けていた人


一気にご紹介できないので、三部~四部作にしてご紹介するしかありません


初診時画像上顎
白いパテの様な物で
歯が付けてあります。

歯のないところは
パテで埋めてあります。
ご本人になんでこのような事をしたのか
お伺いしたところ・・・
「歯医者に行く時間が無いから」
とのことでした。

これだけの事ができるならば
歯医者に行った方が早く仕上がると思います。
ついでに、人工の歯以外は虫歯で
穴が空いています。


第一部「1」の部分

パテでこのように装着してありました。

すごい!!!としか言いようがありません。
絶対にこんな事をしないでください。


ご自分で装着したのはいいのですが
かなりの虫歯になっています。
一般的な歯科医院では
抜く という選択でしょう。

歯根の先端の部分に、
金属がありました。

これまた除去が大変でした。



土台と、歯は分割されていました。
参考までに、ポスト--心棒の太さを比較するために
タービンのダイヤモンドバーと比較しました。


ここには仮歯を製作しました。


虫歯の影響で、本来の土台よりもかなり大きな穴になっています


試しにコアを試適しました


絶対に合うわけないけど
コアを歯根に戻しました。

自分で装着すると、すき間だらけですので
そのすき間が虫歯になり、
歯が使用不可 保存不可であるばかりか
痛みが出たり、炎症を起こして腫れ上がる可能性があります。
絶対にやらないでください。


第二部 「2」の部分

ここにはご自分で製作した、パテのふたがしてありました。

この部分は今夏処置をして土台を作りましたが
その前に「3」の部分を処置しました。


第三部 「3」の部分

この部分はパテを取ったら驚き歯肉の下に

歯の根っこがありました。

画像は3回目のレーザーによる整形後
この後根管処置をして、コアを作ります。

今後症状が出てくる可能性もありますが
やむない選択です。


ファイバーコアの製作


感染根管処置 根管充填をワンファイル法で行い
とりあえずのファイバーコアの装着


「5」の穴の空いたインレーを除去して虫歯処置

かなり雑で乱暴な作り方をしてあります。

このインレーはあまり質の良くない物ですが
過剰な咬合負担、すなわち力の掛かりすぎで
上下のかみ合わせが狂っているのがよく分かります。




「2」の部分にファイバーコアを製作して「2」~「5」にブリッジ製作

技工物完成

マルチレイヤージルコニアです。

万が一 無理矢理発掘した小臼歯2本がダメになっても
ブリッジとして残せるように工夫してあります。
5年 10年後を考えて、歯科治療を行うべきだと考えています。




製作前 かみ合わせに注目してください

ブリッジ装着前の噛み合わせ



装着直後


歯を多く失うことによって、下あごが前に出ていた

いつもの事ですが、ここで噛み合わせ修正

咬合関係を本来の位置を探してその位置に設定

上下の噛み合わせに若干のすき間を作ったのは
廷出した歯が、自分の咬合力で沈むことを想定しての事です。
ここで、「ああだのこうだの、といってはかみ合わせは戻りません」
この方も、最初は違和感を訴えておられましたが
その後に納得、信じられない事がたくさん起こりました。

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第二部、下顎編に続く

ここまでやるには、手間が1000倍。
とんでもない時間と、治療終了後の
症例検討の時間が掛かりました。

しかし、素直でいい人だから
やってあげたい気持でいっぱいでした。

第二部 お驚きの顎変形 下顎編はこちら






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