ヤギサンの秘密

北村歯科 横浜市鶴見駅東口駅前

 炭酸ガスレーザーによる
軟組織の慢性炎症の
消炎処置


 この症例は歯周病に関しての
病態とも近似している部分があります。

歯周病の原因や治療の話をしていく上で
共通項があるため
歯周病関連の症例として、
考えて戴いて構わないと思います。
当院には、ヤギサンも治療に通っていただいております。
もちろん、好物は「紙」です。

何度お手紙を書いても、食べてしまうので
最近は、電子メールでお手紙を出しています。


ヤギサンの秘密とは、本人の弁によりますと、
人間のまねをして、チャリンコに挑戦。
しかしむなしく、転倒したために、
近くのヤギ獣医院に行き、
脱臼した歯を再植して
大型のブリッジを装着したそうです。

動物の国の自転車免許が無かったため
無免許運転に該当するので、
長い間秘密になっていたのが理由で
治療が遅れたとのことです。

もっとも、それは表向きの言い訳で
何かほかの理由があったのかも知れません。

ヤギ獣医院の院長



脱落した歯を、再び植立しても、
自己免疫反応が起きて
おおよそ5年以内に脱落するというのが定説です.

ヤギサンの場合にも、この例に漏れず、
既に歯を支える歯槽骨は
免疫反応で出現した、破骨細胞によって
ほとんど消失していました。
下の画像は問題になっている
、脱落直前の歯です。
既に歯を支える骨は無くなり、
歯肉の消失反応が開始しています。

青い矢印の部分には、
ミカンの皮とよく似たぶつぶつした穴があります。

これを「ステップリング」と呼びますが、
これは歯肉のコラーゲン繊維の端末が形となったものです。

しかし、赤い矢印の部分にはそれがありません。
これは、コラーゲン繊維の破壊を意味しています。

このまま、赤い部分が広がりますと
ある日突然、歯肉が下がり、
歯の根の部分が大きく露出され

最終的には、歯が脱落。
ブリッジの下が空洞となった時の修復は
大変な手間となります。

歯周病でも同様に、
コラーゲンが破壊されますので
ステップリングが消失して、
てかてか光る歯肉に変化してゆきます。


術前

見えている歯は、
すべてブリッジで連結されています。

このブリッジは上の歯の
ほとんどを連結していますので

トラブルの為とはいえ、除去すると
大変大がかりな治療となります。

2カ所ある、丸くて白い部分は
瘻孔(ろうこう)と呼ばれ

内部の膿(うみ)が出口を求めて
顎の骨を貫通し、
その排泄口の事をそのように呼びます。



上の画像と同日のレントゲン写真です。
歯を電柱、歯槽骨を地面と考えれば
レントゲン写真でも明白ですが
この歯は、すぐにでも脱落してもおかしくない状態です。

しかし、上の画像では歯肉の内側の
病態がこれほど進行しているとは
一般の方には想像すら出来ないでしょう。

歯周病も同様に、
表面からは想像出来ないほど
骨の破壊が進行していて

ある日突然に、歯肉が腫れてきたり
化膿してきて、歯が動揺してきたときには
既に手遅れの場合も数多くあります。

また、このような自己免疫疾患では、
体内に異常物質の出現や、、
免疫反応で他の臓器を攻撃する反応や

病巣感染等により、
重大な疾患の原因となることが
大規模な調査で明らかになって来ました。

詳しくは、怖い怖い歯周病の話を読んでください。


炭酸ガスレーザー照射直後

破壊活動をストップするために
炭酸ガスレーザーを使いました。
 



一週間後

  レーザー照射後は、急激な勢いで
組織が再生してきます。



2ヶ月後


コラーゲンが破壊された部分は消失し、
コラーゲンが元気な部分だけが
綺麗に保存されました。
瘻孔(ろうこう)も無事に閉鎖しています。

レーザー照射後には
高周波治療、
イオン導入を用いて
あの手、この手で保存処置をしましたが、
何よりも
徹底したクリーニング
が治療の大きなポイントです。
 
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