「仮歯のまま長く放置している」
「途中で歯医者を変えたいが言いにくい」
「治療が怖くて通えなくなってしまった」。
こうしたご相談が、年々増えています。
北村歯科には、
仮歯のまま数ヶ月〜数年放置された方や、
大量の歯を削られて高額な見積もりだけ提示され、転院されてくる方
など、いわゆる「駆け込み寺」として来院される方が多くいらっしゃいます。
【結論】仮歯・転院・途中放置について、まず知っておいてほしいこと
- 仮歯はあくまで「仮の歯」であり、長期間の放置には向きません。虫歯・歯周病・根の病気のリスクが高まります。
- 途中での転院は、場合によっては「地獄」「拷問」と感じるほど複雑な治療になっていることも少なくありません。
- それでも、状態によっては元の噛み合わせや見た目をかなりのところまで戻せるケースもあります。
- 一方で、すべてを元通りにするには時間・費用・我慢が必要で、「どこまで戻すか」を一緒に決めることが重要です。
【このページでわかること】
- 仮歯の役割と、放置したときのリスク
- よくある転院・途中放置のパターン
- 「どこまで元に戻せるか」を決めるときの考え方
- 北村歯科での転院症例への基本的なスタンス
- 相談から治療完了までの流れ
- よくある質問(費用・今の歯医者への伝え方・全部やるべきか など)
仮歯とは? 長期間放置が危険な理由
仮歯(テンポラリークラウン・プロビジョナル)は、
最終的な被せ物を作るまでの「仮の歯」です。
見た目や噛み合わせを一時的に整えたり、歯を守るために必要なものですが、
精密な適合を目的としたものではありません。
仮歯を放置すると起こりやすいトラブル
- 仮歯と歯の間にすき間ができて、虫歯になりやすい
- 段差や形態不良から、歯ぐきの炎症・歯周病が進みやすい
- 噛み合わせの高さや位置がずれて、顎関節や他の歯に負担がかかる
- 仮歯が外れたり割れたりして、痛みやしみる症状が出る
- 最終的な被せ物を作るとき、元の形・位置に戻すのが難しくなる
仮歯放置の危険性については、
仮歯放置のまま転院 2019その1(仮歯は危険) や
仮歯放置が一番多い転院理由 歯科医が勧めたことは慎重に考える
などで、実例付きで解説しています。
仮歯自体が悪いのではなく、仮歯のまま「治療を止めてしまう」ことが問題です。
よくある「転院・途中放置」のパターン
1. 大量に削られて、仮歯のまま高額見積だけ提示されたケース
緊急で受診した歯科医院で、短時間のうちに多くの歯を削られ、
ほとんどの歯が仮歯になってしまった、という相談が増えています。
4時間以上かけて20本以上削られたあと、
支払えないような高額な見積もりだけ提示されて駆け込んでこられる方もいます。
こうしたケースでは、
噛み合わせ・
歯周病・
神経の状態などを一から組み立て直す必要があり、
治療には相当な時間と手間がかかります。
詳しくは、
仮歯は危険シリーズ 3**万円超えで泣きこまれる症例 などもご参照ください。
2. 自費の前歯を勧められ、仮歯を入れたまま通えなくなったケース
「前歯を綺麗にしましょう」と自費の見積を出され、
仮歯まで作ったものの、
金額や通院回数の不安から途中で行けなくなってしまったというケースです。
仮歯のまま数ヶ月〜数年経つと、
- 歯ぐきの位置が変わる
- 歯が動いてしまう
- 噛み合わせが崩れる
など、最初の計画通りには作れなくなることが多くなります。
比較的スムーズに修復できた例として、
転院 定番の仮歯のまま来院 歯茎の位置がずれている例 もあります。
3. 歯医者を転々として、治療計画が分からなくなったケース
「いろいろな歯医者を回っているうちに、元の状態がどうだったか分からなくなってしまった」
というパターンも珍しくありません。
仮歯、途中までの根管治療、外したままの被せ物、
金属アレルギーの疑い…などが混在していて、
どこから手をつければよいか分からない状態になっていることも多くあります。
こうした転院症例は、
転院 不定愁訴に対応【症例】 や
転院の患者さんカテゴリ で詳しく紹介しています。
「どこまで元に戻せるか」を決めるときの考え方
転院・途中放置のケースでは、
「スタート時点ですでにかなり壊れている」ことが多く、
すべてを100点満点に戻すことが現実的でない場合もあります。
北村歯科が重視している3つの軸
- 1. 痛みや炎症をまず抑える
仮歯や途中の治療部位が原因で、激しい炎症・膿・神経の症状が出ている場合、
まず緊急度の高い部位から優先的に処置します。 - 2. 噛み合わせと顎のバランス
一部だけ極端に高い・低い仮歯が入っていると、全体の噛み合わせが崩壊していきます。
奥歯から順番に、「噛める土台」を作ることを重視しています。 - 3. 残せる歯をどう守るか
すでに大きく削られている歯や、根の先の炎症が大きい歯も多く、
どこまで残せるか・どこからは抜歯を考えるべきかを慎重に判断します。
「仮歯だからまだやり直せる」と思われがちですが、
実際には仮歯のままの期間が長いほど、復元の難易度は上がっていきます。
転院の現実と噛み合わせの重要性については、
転院 一時にこだわり、生涯の噛み合わせを失う例 などもご覧ください。
転院・途中放置の症例に対する北村歯科のスタンス
転院や仮歯放置の症例は、
一般的な初診の方と比べて、何倍もの時間と手間がかかります。
そのため、当院では
「転院の方は、自由診療安価プロモーションの対象外」とし、
一般価格での取り扱いとさせていただく場合があります。
これは、真剣に治療をやり遂げたい方に、できるだけ責任を持って対応するための方針です。
詳細は、 転院に関するご説明ページもあわせてご覧ください。
それでも「駆け込み寺」が必要な方へ
一方で、本当に困り果てている方を、完全にお断りすることもしていません。
実際の状態を拝見したうえで、
- 今すぐ必要な最低限の処置
- 全体をやり直した場合のおおよそのゴール
- 時間・費用・ご本人のご協力
を含めて、現実的な解決方法をご相談しています。
相談から治療完了までの流れ
- 初診相談・レントゲン撮影
現在の仮歯・途中の治療部位・噛み合わせ・歯周病の状態を確認します。
いま困っている症状(痛い・噛めない・外れやすい等)を、遠慮なくお伝えください。 - 優先順位の決定
緊急度の高い部位(痛み・炎症)から、どこを先に治すかを一緒に決めます。
すべてを一度に治す必要はありません。 - 仮歯・途中治療部位の整理
必要に応じて、不適切な仮歯の形態修正・入れ替えを行い、噛み合わせの基準を作ります。 - 根管治療・土台のやり直し
神経の治療が途中の歯や、スクリューピン・古い土台が入っている歯は、再治療が必要なことが多くあります。 - 最終的な被せ物の製作
保険の被せ物・自費のジルコニアなど、ご希望とお口の状態に合った材料をご相談しながら決定します。 - メンテナンス・定期検診
一度整えた噛み合わせや被せ物を、できるだけ長く持たせるために、定期的なチェックをおすすめしています。
仮歯・転院・途中放置に関するよくある質問
Q1. 仮歯のまま、どのくらいなら大丈夫ですか?
仮歯の材質や状態、噛み合わせによっても違いますが、「仮歯のまま何ヶ月も放置する」ことは基本的におすすめできません。
少なくとも、担当医から説明された期間を大きく超えて放置するのは危険です。
Q2. 仮歯のまま放置してしまいました。全部やり直しになりますか?
すべての歯がやり直しになるとは限りませんが、仮歯の下で虫歯や歯周病が進んでいる部分は、治療が必要になります。
レントゲンと診査を行い、「残せる歯」「抜歯を考える歯」「これ以上削らない方がよい歯」などを一緒に整理していきます。
Q3. 今通っている歯医者さんに言いにくいのですが、黙って転院してもいいですか?
現実的には、黙って転院される方がほとんどです。紹介状がなくても診査・診断は可能です。
ただし、今までの治療の内容が分かると判断の助けになるため、お薬手帳・過去のレントゲン・説明用紙などがあればお持ちください。
Q4. 途中放置でも、すべて保険で治せますか?
症例によっては、保険診療だけである程度まで整えることが可能な場合もあります。
一方で、噛み合わせや見た目を大きく改善したい場合、自費治療のほうが現実的なことも少なくありません。
初診時に、保険と自費の両方の選択肢をお話ししますので、ご希望をお伝えください。
Q5. 転院の場合でも、自由診療安価プロモーションの料金は使えますか?
転院・途中放置の症例は、一般の方の数倍の時間と手間がかかるため、
基本的には自由診療安価プロモーションの対象外として、一般価格でのご案内となることが多くなります。
ただし、状態や治療範囲によっては、プロモーション料金を適用での対応いたしますので
ご相談ください。





