転院根管治療 有名大学からのご紹介【転院事例1】

制作中です

レントゲンだけ見て、根管治療も試みず抜去するのは短絡過ぎる

とある一流企業の歯科診療室からのご紹介です。

レントゲンと内部を直視して、治療方針を決定する。



企業内の診療室では制限が多いために、
そこでは対応できることが限られています。

非常勤で、大学病院より歯科医が
派遣されている所も多い様です。

この症例の場合には、根管治療を大学に委託しようとしたが
大学よりお断りされて、当方にご紹介となった例です

レントゲン画素だけで抜去の判断はしないで


転院の患者さんが多いとしばしば遭遇する話ですが
レントゲンだけで、「この歯を抜く」と言われた・・・
という事例に良く遭遇するのですが
要は程度問題だと思います。

ジルコニア矯正のリスクでも書きましたが
我が国で根管治療で、レントゲン的に何らかの
病変があるのは7割ほどもあり
ほとんどが無症状です。
よほどの事が無い限り、レントゲンだけで抜去をしない事を
お勧めいたします。

確かに、大きな膿瘍は根尖病巣がある場合や
顎骨の破壊が大きいときなどは
抜去を考えなくてはなりません。

レントゲン画像だけで、歯を抜くとは決めない。

一流企業歯科診療室から紹介された大学専門科では

この歯を抜くとのことでしたが・・

感染根管処置は、生涯にわたって無菌に戻ることはありません。
したがって、処置後も症状が出るリスクがあります。

処置した歯が、症状を起こすことは良くあることですが
エリートの方は、それを嫌がります。
症状の出る可能性があっても
保存に努力することに価値があるのだと思います。

リスクを取りたくない方は
この歯を、抜去する方向で考えます。

別の方向から考えるなら

どんな仕事も商売と考えると


一般的には歯科医は、歯のないところ
「欠損部」というのを作ると
大きな収入になります。

一部の歯科医院では、営業活動からの
視点で、これを抜いて欠損を作る事を選択する例も
多くあるのだと思います。

一般的な相場では、
自由診療のブリッジで、30~60万円
インプラントで 30~60万円
の営業成績となります。

当方はちょっと変わりものなので
患者さんにそのリスクを説明して
他の歯科医院でダメだ!といわれた物を
立派に再生する事に価値を感じます。

痛くも痒くもない歯を抜いて良いのか??

これを見て、抜去を決めたレントゲン


紹介状に添付されてきました。

確かに抜く判断も間違ってはいないと思います。
しかし、実際に中を見て
最終決断をするべきだと
考えています。


エリートと思っている人はリスクを取りたくない


これが当該歯のです。

いい加減なコアが入ったまま
放置になっています。

レントゲンとこれを見て、抜去も適応だと思います。
しかし、リスクを取らないでこの歯の治療を
放棄するのは情けないと思います。

当方はエリートではないので
この症例を含めて、ほとんどの症例に関して
これを治療出来るかどうか、
レントゲンと合わせて、判断しています。
●リスクを取りたくない場合
●治療の手間を惜しむ場合
には、抜去が選択肢となります。



コアを除去すると、きちんと原型がありました。


かなり痛んでいる歯にはまちがいははいですが
きちんと根管治療をして
保存する治療をする事にいたしました・


ニッケルチタンファイルでの根管治療

ますは、当該歯をおきれいにする

ニッケルチタンファイルでの根管治療は
ロータリーファイルをファイルを使った
ワンファイル法で行います。

綺麗になってきた根管の様子

ワンファイル法で根管内を処理しています

ワンファイル法といっても
使用するのは1本だけではありません。
その辺は臨機応変に使い分けをします。



ワンファイル法の手技として

いつもの定番 wave-one Goldを使用


1.プロテーパー D1ファイルにて、上部ポイントの除去
2. この場合には遠心根が根尖まで充填されているので
レシプロックでポイントを除去しました。

柔軟性のあるwave-one Goldより
やや固めのレシプロックの方が
根管充填剤の除去には適しているので
それを利用しています。

この症例のように、感染根管いわゆる
「リトーリートメント」では
プロテーパーsxはあまり使用しません。

同様に、柔軟性のある
プロテーパーSX Goldもあまり使用しません。

セミナー受講の医院様にお配りした
診療室サイドマニュアルは、
基本である、イニシャルトリートメントを想定して
製作してあります。

根管充填剤が除去できた後
#10のハンドファイルで
根尖部を穿孔しておきます。
感染根管処置の肝となる部Bなる部分です。

3.ここからweve-one Goldの
プライマリー#25
ミディアム#35で根管形成をします。

4.根管充填は ワンファイル法で
06テーパーのwave-one 専用ファイルと
シーラーは AH Puls をいつも使っています。




根管充填後、模型を作成してファイバーコア

下顎の第一大臼歯の場合には、根分岐部要注意です。



根分岐部は、ある程度工夫しないと
根分岐部に感染リスクがあります。
この後形態修正をします。



最後にジルコニア装着

マルチレイヤーA3が、VITAのA2に相当

手前の歯はメタルボンドクラウンですが
おそらくA2シェードだと思います。

やや白色が強いので、
もしかしたらB2で製作されているかもしれません。
メタルボンドクラウンの場合には
金属の色を隠すために
オぺークというペンキみたいな
ソリッドなモノを金属に焼き付けてから
セラミックを築盛してありますので
オペークの色に、完成色が影響する場合が
かなりの割合で見受けられます。

歯周組織が破壊されているので
相対的に歯は、長く、高くなります。
解剖学的形態の3割ほど背が高い歯になりました。




このケースはご紹介でしたので気楽にできましたが・・

セカンドオピニオンで良くあるケースですが

レントゲンだけなら良いのですが
ほとんど検査、診査もなしで
抜くと言われたケースも
日常的にかなりあります。

最終的には
何かあったら対応すれば良い
だけのことで、
リスクをきちんとご説明して
双方合意の上で治療をしてゆけば良いのです。

その他にも、非常に多くの症例がありますが
患者さんに画像使用の許可をいただければ
この後に加筆して行きたいと思います。

セカンドオピニオンの場合には

セカンドオピニオンは意見だけ話す行為です

セカンドオピニオンの場合には治療はしません

当たり前の事ですが
セカンドオピニオンは現在通院してる
医療機関での治療方針に対して
外部の話を聞くための行為であって
転院目的の行為ではありません。

歯科のセカンドオピニオンの場合には
感情的になっている方もかなり多く
他院で治療後に、腫れた、痛くなった 
という方も多く来院されますが
それはセカンドオピニオンではありません。

転院希望の患者さんの場合
患者さんの様子を見ながら
また実際に当該部位の状態を確認して
お話させていただくのですが、

当方ではできません!

なんて理由をつけて、「お帰りいただく」
場合も多くあります。

その点はあらかじめご了承下さいませ。


地位も名誉も無い人間はとても気楽です。


関連ページです。
この症例は、まだまだ軽微な部類です。
日常では、こんな感じです

それでも歯を残します。
https://dr-kita.com/wp/blog/1233


次は反対側のブリッジ除去

これも抜去と言われた歯です。

わかりにくいですが、レントゲン画像です。
長期間の炎症により、破壊されています。
近心側の歯槽骨は、歯周病で破壊されて
10mm以上のポケットがあります。


2019年1月に大きく腫れたそうです。


ブリッジの除去
あとでブリッジを作ってあげなくてはなりません。
歯の周囲は長年の歯周病により破壊されており
歯根が露出するまでになっています。
また、歯肉は炎症を繰り返していたために
粘膜が肥厚して盛り上がっています。
歯の周囲には黒い着色がありますが
メタルボンドの金属が腐食して酸化され
溶け出しています。
状態は良くありません。
長期間の感染によるものです。



除去したブリッジ
メタルボンドで製作されています。
都内で製作したので数十万円の物だと思います。


メタルコアを除去すると中身はボロボロです。

コアの内側も腐食していました。


歯周病もかなり進行しており
歯肉はかなり腫れています。
一般的にはメタルコアが装着され
炎症を起こしていると、抜去する場合がほとんどです。


ここからが苦難の連続

数万本は根管治療をしてきましたが
このような例は初めて
根管充填剤が異常に硬い!!
とにかくすべての器具が歯が立ちません。
丁寧に除去して、ここまで50分



日を変えてその先に挑戦

歯肉の腫れはかなり鎮静しましたが

本日も本日も長時間の戦いが始まります。
白い物は仮封のセメントです。
炎症が治まってきたので
周囲組織がなめらかな状態になってきました。



何で?こんな材料が?天才?か狂気か??

よほどの理由があっての選択か? 単なるデタラメか?

一般的には、レジンなどで根管充填する際には
後々のことを考えて、再治療可能なように
根尖までのガイドを入れておくのが一般的です。


スーパーボンド根管充填というテクもありますが・・・

それにしても硬い


白とピンクが交互に出てくる。ものすごく硬い!


次第に除去をしてゆくと
根管の中にレジンらしき物が
それも、ものすごく硬い!!
ピンク除去すると、白いレジンが出てくる。
それが交互に入っています。



パーフォレーションにスーパーボンドは考えられるのだが・・・

これはスパーボンドの固さではありません

おそらく二種ペースト混合型の充填用のレジンをシーラーにして
根管充填をしてあるのかも?
しかし、赤いガッターと思われるものは
ピンクレジンだと思われます。
白とピンクが交互に出現します。
赤く見えるのはガッターパーチャーではなくて
ピンクのレジンだと思います。

近心根がパーフォレーション 穿孔 しています。
超音波チップを使ってじっくり除去したので
出血していません。




試用した器具類

当院超音波関係も、チップだけの滅菌ではなく
ハンドピースごとの交換になるので
チップに合わせて、多数のハンドピースを揃えています。、





ダイヤモンド無しのエンドチップ




ダイヤモンドありのエンドチップ




根管治療に必要な隔壁を作って再生を待つ

隔壁を築盛してから、さらに根管治療を進めます。




シングルポイント法 と言いたいところですが

大規模にレジンが根管内にあったので

シングルポイントではちょっと無理があります。
デンツプライの06テーパー #50とアクセサリーで
今回充填をしました。
ある意味では「ダメで元々」で
コアを製作して、ジルコニアのブリッジを製作します。



無事にファイバーコアが入りました。

この先、この歯に症状が出る可能性もあります。


根管治療には将来的なリスクがあります。
根管治療をした歯は、決して無菌に戻ることはありません。
この歯も過去に根管治療をしてありましたが
症状が出たために、何度目かはわかりませんが
根管治療をしました。
通常の場合、根管治療専門医が施術して
症状が出た場合には、
専門医でもダメなので、この歯はもうダメと
判断して抜去するようです。

この後、ジルコニアのブリッジを製作します。








2019年特設ページメニュ-

 1.ジルコニア矯正 こちら (一般歯科医院ではあまり見せない、裏側の状態もお見せしています)
     ●ジルコニア矯正 とは 何ですか??
   ●ジルコニア矯正のリスク続き 手を付けた部位の修正ややり直しはたいへん
   ●悪くなるのは誰かが削った所その2 (ハイブリットレーザーでの症例)
   ●ジルコニア矯正のリスク 実例 削ったままで来院 (仮歯のままで来院 咬合傾斜)
   ●ジルコニア矯正のリスク 実例 下顎の前歯には要注意 (失敗ラミネート修正)
   ●矯正が目的でなくても、ジルコニアにするなら美しく (多数歯入れ換え)
 今までの特設ページにも、参考になる事例がたくさんあります。 こちら
 
 2.金属アレルギー こちら
   ●歯科における金属アレルギー対応の基本 時間が掛かる事なので、長いページです。
 
 3.転院の方、仮歯のままの方、放置の方は こちら
   ●有名大学からのご紹介 エリートはリスクを取りたくない (抜くといわれた)
   ●かなり強烈な個性の方 (できることはやりますが どおりに合わないことはやりません)
   ●抜くといわれたブリッジを 基本処置だけで保存 (抜かなくても基本処置で保存)
   歯並びの不調は顎顔面の変形になります。 (鼻を基準にしています)
 
 4.自分で歯は付けないでください。
   ●自家治療 天才かも 自分で歯を付けた人 女性編 第一部 手間と時間は1000倍 
   ●自家治療 自分で歯を付けた人 女性版 第二部 手間と時間は1000倍
   ●自家治療 自分で歯を付けた人 女性版 第三部 前歯編 ヘタな歯医者がいじるより軽傷
 
5.顔面や顎の変形を、噛み合わせ治療で修正 
  ●歯槽のアーチに歯列を乗せれば顔面が変わる 鼻穴の位置でよく分かります
  ●移動した歯の位置や顎関係を修正 鼻穴の位置でよく分かります
  ●元々の歯の配列でバランスが良くない この場合にはいじる必要なし
 
 6.自由診療 安価プロモーション 2019年症例

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