朝日放送『みんなの家庭の医学』おさらいニュース 突然死を引き起こす歯周病の恐怖 http://www.oricon.co.jp/news/2039403/full/ |
日本人の約8割が患っているという「歯周病」。近年の研究で、 この歯周病菌が原因で深刻な病を引き起こしているという新事実がわかってきた 。 |
◆血管の中に侵入した歯周病菌が心筋梗塞の原因に 現在、30代で約7割、40〜60代では約8割もの人が歯周病や歯周病に関係する症状があるという。 これまで口の中だけの病気と考えられてきた歯周病だが、 近年この歯周病菌が血液の中に入り込み、突然死を引き起こす原因の1つとなっているケースが報告され、 医学界で問題視されている。血液に入り込んだ歯周病菌は、体内でどんな悪さをするのだろうか。 番組では、歯を磨くと歯茎から出血するようになったというK・Nさん(56歳・仮名)の症例を紹介。 朝晩、歯磨きを欠かさないようにしていた彼女は、次第に胸のむかつきや痛みに襲われるようになり、 ついに3ヶ月後、激しい胸の痛みを感じて意識を失い、病院に運ばれてしまった。 実はこの病の原因こそ歯周病菌。病の正体は「心筋梗塞」だった。 心筋梗塞とは、心臓に酸素を送る血管が詰まり、心臓の筋肉が壊死する病気。 最悪の場合、突然死を引き起こす恐ろしい病気だ。 |
◆歯周病菌の多くは、歯磨き時と食事の際に血管内に侵入 歯周病菌と心筋梗塞にはどんな関係があるのか。 そもそも、何らかの原因で血液の中に侵入した歯周病菌は、 心臓に流れ着く。そこで歯周病菌は線毛という組織を使って血管の壁に張り付き、 血管の壁に炎症を起こさせる。長年、歯周病を放っておくとこの炎症が全身のいたる所で起こり、 次第に血管の壁が分厚くなる動脈硬化が進んでしまうのだ。では歯周病菌はいつ、どうやって血管の中に? K・Nさんの場合は歯磨きの際、そもそも歯周病で出血しやすくなっていた歯茎の血管の一部から歯周病菌が侵入していたことが一因。 また、歯周病が進行すると、歯茎の表面の組織が壊れ、 その結果むき出しになった毛細血管や血管の壁にできた隙間から歯周病菌が侵入していたことも考えられる。 これは主に食事の際に起こる現象で、この状態でモノを噛むと歯周病菌が拡散し、一部が血管の隙間に入り込むと考えられている 。 さらに彼女の場合、高めだったコレステロールによる動脈硬化の進行を歯周病菌が後押ししたため、 心筋梗塞になってしまったと考えられる。 つまり、肥満や運動不足などで進行する動脈硬化を、 想像以上に進行させてしまうのが歯周病だったのである。 歯磨きの際に出血するというあなたは、注意が必要だ。 |
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歯の健康(4)歯周病のサインを見逃すな 産経WEBより 2014.6.30 元ネタはこちら http://sankei.jp.msn.com/life/news/140630/bdy14063008300001-n1.htm |
飲食時や歯磨きをした後、歯茎に血がにじむようなことがあったら 同社の調査では、日本の成人の8割以上が歯磨きの際に出血を経験。 歯茎から出血しなくなっても決して歯周病が治ったわけではない。 健康な歯のありがたみは失って初めて痛感するようだ。プレジデント社(千代田区)が 歯を失ってから後悔しないためにも常日頃、 |
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歯周病 侮ると危険、全身疾患の原因になったり、認知症・老化が進む!? 日経BPネット http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20140619/403474/ 2014年6月20日 |
歯の病気というと、真っ先に挙がるのは虫歯だろう。 だが、虫歯のような痛みがないため気づきにくいが、歯周病も怖い病気だ。 歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患。 進行すると、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けてしまい、歯がグラグラと動くようになり、 ひどいと抜歯することになる。 歯周病が怖いのは、歯がダメになるだけでなく、 全身疾患や認知症・老化の原因にもなるという研究結果があることだ。 歯周病の有病率(歯肉溝4mm以上)は、35〜44歳で27%、45〜54歳で43%と年齢とともに上昇し、 中高年の半数以上が歯周病だという(2005年歯科疾患実態調査)。 中高年になったら、歯周病の原因となる歯垢がつかないようにしなければいけない。 |
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歯周病は死に至る病? 全身疾患との怖い関係とは? 日経トレンディー http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140218/1055301/?P=1 2014年02月21日 石川 聡先生の解説より |
1.口の中の病気で死ぬことはないでしょう? |
スコットランドで行われた約1万2000人(平均年齢50歳)を対象とした大規模調査 では、 つまり歯のブラッシングの回数が少ない人は1.7倍心血管疾患になりやすいという結果でした。「歯の病気」はすぐに死に至ることはないと考える人が多いのが現状ですが、日頃の不摂生から、このような数字が出てきているという事実は見逃せません。 |
2.なぜ口の中の病気が全身に影響を与えるのですか? |
歯周病は、この歯周組織(歯肉・歯根膜・歯槽骨・セメント質)に炎症が起こる病気の総称です。 歯根の表面積の合計は約72平方センチメートルといわれており、 しかも、細菌である歯周病菌は、腫れた歯肉から容易に血管内に侵入しできてしまいます。歯肉や骨の血管を通して、細菌が全身を巡ってしまうわけです。さらに歯周病は慢性疾患なので、治癒しない限りその状態が持続します。 口の中の組織も含め、体の末端まで血液は全身を循環しているので、 |
3.心血管疾患と歯周病は関係あるのですか |
例えば心臓血管疾患。これは、症状がないまま病状が進行して、 血栓は脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしますから、ひいては死に至る病気となり得ます。 |
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侮れない歯周病、アルツハイマー病とも関連? 日経メディカルの記事 友吉由紀子記者 記者の眼より 2013/12/19 http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/eye/201312/534073.html |
慢性炎症が引き起こす様々な悪影響 歯周病の全身への影響が指摘されるようになって久しいが、 歯周病があるとアテローム性動脈硬化症、糖尿病、関節リウマチなどの発症リスクが高まったり、 病態を悪化させるといった報告が相次いでいる。 今年、取材した国内外の学会でも、歯周病と様々な疾患との関連を示唆する研究結果が見られた。 その中には、なんとアルツハイマー病との関連を示唆するものもあった。 簡単に紹介すると、アルツハイマー病のモデルマウス(APP-Tg)に 歯周病を発症させて病理の進行への影響を調べたところ、 歯周病を発症させた群ではコントロール群に比べて、 認知機能の増悪、アミロイドβ沈着の有意な増加などが見られた。ということは、 アルツハイマー病の発症は阻止できなくても、 歯周病を治療すると、病態の進行を軽減できる可能性があるわけだ(2013.11.11「歯周病治療はアルツハイマー病の進行抑制につながる可能性」)。 |
既に糖尿病においては、患者に歯周病治療を行ったところ、 治療開始から2年でHbA1c値が6.52%から5.45%へと1.07%低下し、 血糖コントロールが改善したとの報告もある(2013.8.19「歯周病:治療により血糖コントロールも改善」)。 もっとも、歯周病の全身への影響については、詳細なメカニズムはまだ明確になっていない。 現在、研究が進められており、歯周病菌や毒素のLPSなどが口腔から血液を介して全身に運ばれ、 TNF-α、IL-1などの炎症性サイトカインが増加することで、 種々の疾患の発症や進展に影響を及ぼしているのではないかと考えられている。 |
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歯周病:治療により血糖コントロールも改善 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/sped/1308dm/201308/532026.html 日経メディカルの記事 友吉由紀子記者 2013/8/19 |
歯周病は、歯と歯茎の間に歯周病菌が感染し、炎症によって歯槽骨が破壊され、 最終的に歯を失う疾患だ。発症には、 加齢、喫煙やストレスといった生活習慣、遺伝などが関連し、 糖尿病も危険因子になっている。 歯周病があると局所の炎症がインスリン抵抗性の発現に関与し、 糖尿病を悪化させるとの説も有力になっている。 海外でも、重度の歯周炎がある人は、健常人よりもHbA1c値の上昇率が大きい(5年間で約5倍)、 歯と歯茎の間の溝の深さを示す歯周ポケット値が大きいほど HOMA-IR値で評価したインスリン抵抗性が高い、などの報告がある。 |
徳島大学大学院歯周歯内治療学分野教授の永田俊彦氏 は 糖尿病で重度歯周病だった66歳の女性患者に対し、 歯周病治療を行いHbA1c値の推移を追った。 治療は歯磨き指導、歯石の除去などによる口腔内環境改善に加え、 歯周病が進行していた5本を抜歯した。 その結果、治療開始から2年で歯周ポケットが4mm以上の部位は27.5%から7.4%に減少し、 HbA1c値は6.52%から5.45%へと1.07%低下した。 |
2型糖尿病で歯周病の患者に3カ月間の歯周病治療を実施すると、 HbA1c値は平均0.40%低下するとのメタ解析結果も報告されている。 永田氏は、「歯周病治療によりHbA1c値が改善することを、 患者にもっと啓発していく必要がある」と指摘している |
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古代人も歯周病に悩んでいた?日経トレンディー http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140603/1058167/?rt=nocnt石川 聡先生の解説より 2014年06月16日 |
歯石について、英国の国際学術誌「Nature Genetics」に掲載された 「古代人の歯石を詳細に解析したらいろんなことが分かった」 という最新の学術的研究について、解説していきます。 |
歯石の分析で分かること |
2014年2月、「Nature Genetics」誌に「Pathogens and host immunity in the ancient human oral
cavity」 分析の具体的な内容は、中石器時代(7550-5450年前)、新石器時代(7400-4000年前)、青銅器時代(4200-3000年前)、 数千年前の人類がどのような食生活をしていたのか見当もつきませんが、 では、いったいどのようなことが分かったのでしょうか? |
1. 人類を悩ます歯周病菌は太古から存在していた |
数千年の時間の隔たりと異なる食生活にもかかわらず、 つまり歯周病の原因菌は、人類の歴史とともに親から子へ、 |
2. 食生活の変化で虫歯菌が勢力拡大 |
一方、食生活の変化により、口腔内の細菌叢(さいきんそう:口腔内に居る細菌群) 人類の食生活における大きな変化とは、約1万年前に農耕を開始したことで、 ヨーロッパの古い人骨の歯石サンプルを解析した結果、 我々人類が現代の繁栄を築いた大きなきっかけである、 |
3. 脅威の生体サンプルであった歯石 |
歯の周囲に付着する石灰化した歯石は、体積は微量ながらも、 例えば、炭素と窒素の同位体の量を測定すれば、 歯石が付着していた古代人の歯の周りの骨が 石器時代の人類がどのように口の中を手入れしていたかは定かではありませんが、 現在人類は衛生状態の改善と薬の普及で古代人のような歯周病の恐怖からは解放されました。 これだけ道具が発達した時代です。 |
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